レクトジェシック軟膏は、主に裂肛(切れ痔)の治療と諸症状緩和のための治療薬です。
有効成分であるニトログリセリン(硝酸グリセリン)は、本来狭心症のための塗布軟膏ですが、ニトログリセリンに含まれる神経伝達物質の酸化窒素が、内肛門括約筋を弛緩させる事により、裂肛やそのほか各種痔の症状や痔核(いぼ痔)切除による痛みと不快感緩和にも効果を発揮します。
人間の直腸や肛門付近の血管は頭の方向に向かって血液を循環させるため、普段から直腸や肛門付近の血管にとても大きな圧力が掛っています。
そこへ、日常生活の中で起こりうるさまざまな要因(長時間の立ち仕事や座り仕事、便秘や下痢を繰り返すなど)によって肛門付近の体液のうっ帯や圧力がかかることにより、痔が発症します。
そのため、痔は基本的に「血流」の疾患であると言われています。
代表的な症状として、裂肛、痔核、痔瘻があります。裂肛は男性に比べ女性に多いと言われており、肛門管(肛門の上皮膚部分)が、切れたり裂けたりして痛みや出血を伴います。
裂肛は重症度によって、急性裂肛・慢性裂肛・肛門狭窄の三段階に分かれます。
裂肛が治らず長期化したり、傷口が切れたり治ったりを繰り返していると、みはりいぼ・肛門ポリープができたり、ひどい場合は肛門自体が狭くなり手術が必要な場合もあります。
一概に痔と言っても症状により治療方法が異なり、また排便時などの出血を痔による物だと誤解し、直腸がんなど重大な病気を放置してしまう可能性もあるため、痔と思われる症状がある場合は、まず病院で検査を受ける事が勧められています。