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2015-02-28
ソース(記事原文):HCPライブ
高用量リファンピンで結核患者の治療期間が短縮される可能性
HCPライブ(2015年2月28日) ― キャサリン・ コロンコ(Catherine Kolonko)著
高用量リファンピン及びモキシフロキサシンを標準的薬物治療に併用すると、結核患者の治療成功に要する日数が短縮される可能性がある。この研究結果は今週シアトルで開催されたレトロウイルス及び日和見感染症学会(Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections)の年次総会で発表された。
本研究は、PanACEAコンソーシアムの代表として、オランダのラドバウド大学ナイメーヘン医療センター(Radboud University Nijmegen Medical Center)に所属するマーティン・ボリー(Martin Boree)博士が発表した。
本研究結果から、液体培地における菌陰性化までの日数(結核患者の治癒又は回復傾向を示す肯定的な兆候の指標となる標準的検査)が、一部の患者で短縮されたことが示された。本研究の要約によれば、このマーカーに達するまでの日数が短縮されると、短期的治療法につながる可能性があり、こうした治療が早急に必要とされている。
薬剤感受性の塗抹陽性結核患者を、5つの異なる併用療法を行う群のいずれか1つに無作為に割り付けて、12週間治療を行った。その後、全患者に標準用量の抗生物質リファンピンとイソニアジドを、治療期間の合計が26週になるまで投与し、治療不応又は再発が認められるまで経過観察した。
非盲検多群多段階試験の実施計画を立て、1度の中間解析にて、治療による有益性が得られていないことが認められれば、治療群への募集を中止することとした。主要評価項目は、最長12週間における液体培地の安定した菌陰性化までの日数とした。
1つ目の群には、標準用量のリファンピン、イソニアジド、及びピラジナミドに加えて、SQ109を投与した。2つ目の群には、ピラジナミドとイソニアジドの併用下で、リファンピン20 mg/kgとSQ109を投与した。3つ目の群には、ピラジナミドとイソニアジドの併用下で、リファンピン20 mg/kgとモキシフロキサシンを投与した。4つ目の群には、エタンブトール、ピラジナミド、イソニアジドの併用下で、リファンピン35 mg/kgを投与した。
対照群(5つ目の群)にはリファンピン、イソニアジド、ピラジナミド、エタンブトールを8週間投与した。
タンザニア及び南アフリカの7施設に無作為に割り付けられた365人のうち25人(7%)がHIV陽性を示した。中間解析後に両SQ109群への募集は中止し、既に登録されていた患者は治療を継続し、終了後は経過観察を行うこととした。
研究の要約によれば、本試験の結果から、菌陰性化までの日数が最も短縮されたのは、高用量リファンピンを投与された群であった。高用量リファンピン群は、12週間にわたる共変量で補正したハザード比が、対照者群と比較して1.75(95% 信頼区間[CI]:1.21~2.55) であった。過去の結核試験を再現するために8週時点で対照者群と比較すると、共変量で補正したハザード比は1.99になった(95% CI :1.21~3.29)。
「これは過去の結核試験で明らかにされた菌陰性化までの日数のうち、我々の知る限りで最大の短縮である」と要約に記している。
本試験のデータに基づくと、リファンピン35 mg/kgが、菌陰性化までの日数を短縮する可能性があり、今後の治療期間を短縮した治療法を行う上で重要な要素となる可能性がある、と著者らは結論付けている。
ボリー氏によれば、今回の治療は全群において安全で忍容性が良好であるように思われたという。リファンピン20 mg/kgとモキシフロキサシンを投与された患者群で菌陰性化までの日数にわずかな短縮がみられた一方で、SQ109群では短縮は認められなかった。全治療群で7人以上にグレード3以上の有害事象が認められた。10人は肝臓の有害事象を生じ、治療の変更につながった。