食欲抑制タイプ
食欲抑制作用のあるダイエット薬
トヤマ堂.comで販売している「リダクティル」、「オベスタット」、「スリメックス」、「レプトス」は脳内の中枢神経系に働きかけ、食欲を抑制させる作用があるとされるシブトラミンを有効成分とする食欲抑制剤です。
食欲は脳の視床下部に存在する摂食中枢と満腹中枢によってコントロールされていると言われています。
摂食中枢が血糖値の低下によって体内の脂肪から遊離した脂肪酸の刺激を受けて空腹感を生辞させるのに対し、飽食中枢とも呼ばれる満腹中枢は、刺激を受けることによって満腹感を生じさせますが、この満腹中枢を刺激するのがセロトニンであるといわれています。
セロトニンは感情を安定させる作用があるとされる脳内の神経伝達物質の一つですが、その他にも消化機能の調節や血小板凝集作用といった生理活性作用をもっています。
食事による胃の拡張や血糖値の上昇によって分泌が促進され満腹感をコントロールすると満腹中枢を刺激しますが、このことにより満腹中枢が敏感になり、小量の食事でも空腹感がなくなり食欲を抑えることができるとされています。
しかし食欲を抑制するだけでは、実際に体に蓄積された脂肪を減少させることができません。
体に蓄積された体脂肪を減少させるには、脂肪がエネルギーとして消費される必要があります。
このことを通常は脂肪燃焼といいますが、これは体脂肪が脂肪酸とグリセリンに分解され、脂肪酸が遊離脂肪酸として血中に入り、体の各組織でエネルギーとして消費されることを意味しています。
この体脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解する役割を果たしている主要な物質が副腎皮質ホルモンであるアドレナリンやノルアドレナリンとなります。
このアドレナリンやノルアドレナリンといった副腎皮質ホルモンの分泌を調整しているのが自律神経の一つで、別名「昼の神経」とも呼ばれるように体を活動的な状態、或いは興奮状態にする神経である交感神経です。
物理的な刺激だけでなく、恐怖、興奮、怒り、緊張、不安などといった精神的な刺激によっても活性化させられますが、このような精神的刺激は脳内のノルアドレナリンと呼ばれる神経伝達物質によるものとされています。
セロトニンやノルアドレナリンといった脳内の神経伝達物質は神経細胞(ニューロン)の接合部である前シナプスから放出され、後シナプスに存在するそれぞれのレシーバー(受容体)に結合することによって作用を発現させます。
しかし実際に受容体に結合するのは放出された神経伝達物質の極一部に過ぎず、その大半は前シナプスのトランスポーターと呼ばれる輸送担体によって神経細胞内に再吸収されてしまいます。
シブトラミンは脳内の神経伝達物質のセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害するSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)です。
シブトラミンは前シナプスにあるセロトニン、ノルアドレナリンのトランスポーターを遮断することによって、脳内の神経細胞(ニューロン)から放出されたこれらの神経伝達物質がニューロン内に再取り込みされるのを阻害します。
この作用により、脳内のセロトニン、ノルアドレナリンの濃度を高め、食欲抑制作用やエネルギー消費作用が増強されると考えられています。
しかし、最近シブトラミンの交感神経活性化作用による血圧上昇や心拍数増加作用などの影響による心疾患による死亡例などがあったことから、2010年1月からはヨーロッパで使用禁止とされています。 (ただし、問題が生じたケースで多くの場合に、禁忌とされる事項を守っていなかったという報告もなされています。)