護髮茶は、内臓の調子を整えることで、これらの臓器と深い関係にあると考えられている毛髪の健康も改善し、白髪や脱毛を防ぐための漢方茶です。
髪の毛が生えて、自然に抜けるまでには、成長期、退行期、休止期の3つの段階を繰り返しますが、この周期をヘアサイクルと呼びます。成長期では細胞分裂により髪の毛が成長し、退行期に入ると成長が止まり、毛根が小さくなっていきます。そして休止期では寿命となった毛が抜け、成長期に向けての準備が行なわれます。髪の毛全体の約10パーセントが休止期にあるとされ、次回の成長期が始まるまでは3ヵ月ほどの期間があります。
頭髪の構造は、皮膚の上に出ている毛幹と、皮膚の中に隠れた毛根に分けることができます。毛根の深部には毛乳頭と毛母細胞がありますが、いずれも髪の成長に対して大きな役割を持っており、このうち毛乳頭は、毛細血管内を通って流れてきた酸素やビタミン、水分などの栄養素や、脱毛の原因となるテストステロンなどを受け取って髪の毛の製造機関である毛母細胞に対して指令を送ります。毛母細胞が細胞分裂促進の指令を受けた場合は細胞分裂を繰り返して増殖し、徐々に角質化したものを毛根から上に押し上げます。これが髪の毛です。一方、脱毛因子を受け取ると毛母沙細胞は髪の毛の製造を抑制し、成長期の毛髪が退行期へと移行するため、結果として脱毛へと繋がります。
通常であればヘアサイクルは2-6年、毛母細胞の分裂回数は40-50回で終了するといわれています。ところが、この周期が乱れると、発毛、育毛のサイクルが崩れ、本来の毛の寿命に達する前に脱毛してしまうことがあります。例えば女性の場合では、妊娠や出産、精神的ストレス、薬剤など、また男性では男性ホルモンの過剰により前頭部から頭頂部に脱毛が起こる男性型脱毛症などが主な原因で、このほか年齢、血行不良、ホルモン異常、過度なダイエット、糖尿病なども毛が抜ける理由に含まれるとされています。
一方、中国医学において、毛髪は、血液や内臓の健康状態がそのまま反映されていると考えられています。例えば内臓が元気であれば、黒々としたボリュームのある毛髪になり、その反対の場合では髪がパサつき、若いうちに白髪や脱毛が起こるとされ、さらに内臓のどの部分が悪いかによって、髪の毛にあらわれるトラブルも異なると言われています。この内臓と毛髪との関係は、現存する中国最古の医学書である『黄帝内経』にも書かれているほど、古くから中国医学に浸透しています。
護髪茶は、内臓のバランスをいい状態に保ち、健康的な髪の毛を維持する目的のために漢方的な見地からつくられたお茶です。材料となる生薬には、滋養強壮にも使われる黄精(オウセイ)、胃腸や腎臓・肝臓に活力を与える茯苓(ブクリョウ)、胃腸や腎を健康にし、なおかつアンチエイジング作用も持つ黒豆、強壮、益精補血、補肝腎など補う力にすぐれ、毛髪を黒くする働きがある何首烏(カシュウ)、補陰、潤腸、そして黒豆と同じく補肝腎がある黒胡麻(コクシマ)、さらに腎を補い、白髪防止などに用いられる女貞子(ジョテイシ)が使用されています。
これらの生薬の効果により、護髪茶はバランスの崩れた内臓の機能を正常にし、白髪や脱毛を防いで健康的な毛髪を取り戻すように導きます。