ヴァルザールH160mgはディオバンHCTのジェネリック商品で、単剤では充分な効果が得られない高血圧の人に適した降圧薬です。
有効成分として、バルサルタン(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬/AⅡ受容体)とヒドロクロロチアジドの2種成分を配合しているため、相乗効果によりさらに優れた降圧降効果を得る事が期待できます。
日本ではコディオ配合錠MD、コディオ配合錠EX(ノバルティスファーマ)、エカード配合錠HD、エカード配合錠LD(武田薬品)、ミコンビ配合錠、ミコンビ配合錠AP(アステラス製薬)などとして同じ有効成分を含む薬が発売されています。
高血圧症は、通常、人間の正常血圧範囲『収縮期血圧130mmHg未満・拡張期血圧85mmHg未満』を超えて高く維持されている状態を指します。しかし高血圧自体の自覚症状は何もない事が多いため、知らず知らずのうちに虚血性心疾患、脳卒中、腎不全などの合併症を併発するおそれがあります。
高血圧症の分類は、本態性高血圧(原発性高血圧)と二次性高血圧の2種類があり、
二次性高血圧の場合は明らかな原因疾患から生じる高血圧であるため、手術などで完治する確率が高いとされています。
その一方で、高血圧患者の90%以上を占めるとされる本態性高血圧(原発性高血圧)の場合は、遺伝素因に加え生後の成長過程~加齢プロセスにおける食事、肥満、過度のストレスや過労などのさまざまな生活習慣が絡み合って生じる病態と考えられており、肥満、高脂血症、糖尿病との合併症を生じさせます。
このような症状は『メタボリックシンドローム』と呼ばれ『死の四重奏』と称される程の恐ろしい病気です。
ヴァルザールH160mgの有効成分・バルサルタン(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬/AⅡ受容体)は、体内で生産されるアンジオテンシンⅡ受容体に結合し、昇圧作用を示すアンジオテンシンⅡの血管収縮作用を遮断し高血圧症の血圧を下げる効果があります。
また、もうひとつの有効成分ヒドロクロロチアジドは、遠位尿細管においてナトリウム再吸収抑制作用により循環血液量と細胞外液量を減少させて血圧を下げる効果をもたらします。
その際、通常、生体はレニンアンジオテンシン系(RAS)を活性化させて血圧を維持しようとしますが、ヴァルザールH160mgのもう一つの有効成分であるバルサルタン(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬/AⅡ受容体)は、レニンアンジオテンシン系(RAS)を強力に抑制する働きを持っているため、バルサルタンとヒドロクロロチアジドを組み合わせる事により、レニンアンジオテンシン系(RAS)の活性化を抑制しつつ降圧効果を維持、もしくは増強するという相乗効果を期待する事ができます。