ロビタシン・イー・エックス・シロップ200mgは、感冒、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺結核、上気道炎(咽喉頭炎、鼻カタル)などによる痰を伴う咳や痰による気管の詰まりなどの症状を緩和させるシロップタイプの薬です。
咳は、肺や気道から空気を強制的に排出させるための生体防御運動です。通常は繰り返して起こる気管・喉頭・呼吸筋の反射的な収縮運動のことを差し、大きく湿性咳嗽と乾性咳嗽の2種類に分けることができます。このうち乾性咳嗽は空咳とも呼ばれ、咳感受性(刺激で咳が出やすい状態)や気道過敏性(気管支が収縮しやすい状態)の亢進が原因で起こるほか、気管支喘息、咳喘息、アトピー咳嗽、咽頭アレルギー、間質性肺炎や、胃食道逆流症、高血圧治療薬、心因性などでも起こる病的な咳です。
一方の湿性咳嗽は、粘性の強い、時に色のついた痰が出るタイプの咳で、風邪や肺炎などの感染症のほか、鼻の病気や気管支拡張症、肺がん、心不全などでも起こることがあります。
また、空気中のウイルスやほこりを体内に侵入させないために粘膜が粘液を分泌し、この粘液が異物を包み込んだものが痰です。炎症などの程度により痰の量が増えて粘り気も強くなり、原因によって色が異なります。例えば風邪の場合、のどが風邪の菌に感染して炎症を起こし、免疫を担う白血球が集まって菌と戦います。その際に発生する白血球の残骸や死んだ菌などが痰に混じり粘性が増すため、多くの場合は黄色味を帯びています。
この痰を出すための防衛反応として、気道は咳によって自発に肺内の空気を一瞬的に押し出すように働きます。ところが、ヘビースモーカーや、常に汚れた空気にさらされている人、空気が乾燥した冬、口腔内が乾燥するドライマウスになりがちな高齢者などは、のどが刺激を受け続けているために気道の粘膜に炎症が起こり、異物を排出する機能が低下しやすくなります。また、粘り気のある痰が気道や鼻腔に詰まった時や、粘液の分泌量が減って粘り気が増し、線毛が抜けたり異物がスムーズに運搬されない場合などに無理に痰を切ろうとして強く咳をすると、のどの粘膜が傷つき、さらに炎症が悪化する可能性もあります。このように、痰がからんでなかなか出せずに、つらい咳を誘発した場合など、その症状を緩和するために使用されるのが去痰薬であるロビタシン・イー・エックス・シロップ200mgです。
有効成分のグアイフェネシンは、市販の風邪薬などにも配合されている成分で、脳幹の延髄にある咳を起こさせる部分である咳中枢の興奮を鎮めることで、鎮咳作用を発揮するほか、気管支の分泌物を増やして痰の粘りを取り、痰を吐き出しやすくする去痰作用を併せ持つ非麻薬性中枢性鎮咳薬です。特に上気道炎や気管支炎などによる痰をともなう咳の緩和に適しており、習慣性もないので安心して使用できます。