レバゲン100mgは、胃粘膜プロスタグランジン増加作用、胃粘膜保護作用、胃粘膜損傷修復作用を持つ胃炎・胃潰瘍治療薬です。
胃液は食べ物を消化するために胃の中で1日に1-2リットル分泌される体液で、その主成分はペプシン、塩酸、粘液です。
このうち胃酸はph(酸、アルカリ値の強さを示す度合い)が1-1.5の強力な酸性で、食べ物と一緒に入ってきた細菌やウイルスを殺菌し、また一部の有害物質を分解するなど体を守る働きも持っています。
胃酸がこれだけ強い酸性を持つにも関わらず、胃自体が消化されないのは胃粘膜が胃の内部を覆っているのに加え、胃液を中和する重曹が生成されているためです。
このほかにも、胃粘膜保護作用にはプロスタグランジンが大きく関わっています。
プロスタグランジンは体内の数多くの組織や器官に存在し、それぞれの機能の働きを調節する役割を持つ生理活性物質で、血管の収縮・拡張、腸管収縮、子宮筋収縮、血小板凝集など、その種類や作用はさまざまです。
このうち胃粘膜保護作用を示すのはプロスタグランジンE2で、ほかにもプロスタグランジンE1とE2には胃酸分泌抑制作用も備えています。
健康な状態では胃壁の損傷が最小限に抑えられていますが、ストレスをはじめとするいろいろな要素が原因となって副交感神経のバランスがくずれると、この調節がうまく働かなくなるために、胃炎や胃潰瘍を引き起こすことがあります。
そのほか、解熱鎮痛消炎薬(非ステロイド系抗炎症薬)などの薬剤が、直接的に胃の粘膜を荒らす原因にもなっています。
体内でエネルギーがつくられるときや、体に紫外線が当たったときなどの代謝活動において、フリーラジカルと言われる活性酵素が発生すると考えられています。
このフリーラジカルはいわば細胞や遺伝子に悪影響を与える毒のようなもので、老化、がん、糖尿病、アルツハイマーなどさまざまな悪影響と関係があり、胃においては急性胃粘膜障害、胃潰瘍などに関与していると言われています。
主に胃酸分泌をコントロールすること改善を目的とする従来の薬とは異なり、レバゲン100mgは、内因性プロスタグランジンの増加作用を主作用に加え、フリーラジカル消去作用も備えた初めての薬であり、このふたつの働きにより胃粘膜保護作用や胃粘膜損傷修復・治癒を促進します。
さらにQOUH(quality of ulcer healing:潰瘍治癒の質)を良好な状態に導くことにより胃炎や胃潰瘍などの再発予防や、胃壁を荒らしやすい治療薬と併用して胃壁を保護する目的で処方されたり、制酸剤やほかの潰瘍治療薬と併用されることもあります。
また最近の研究では、酸化ストレス(酸化反応により引き起こされる生体にとって有害な作用)によって失われたたんぱく質の結合を明らかに回復させたり、酸化ストレスによって誘導される上皮細胞の障害を有意に防ぐ効果があることが確認されています。