レクサクロム点眼液2%は抗アレルギー薬を配合した目薬で、主に春季カタル、アレルギー性結膜炎の治療に使用します。
アレルギーとは、体内に異物が侵入して来た際にそれを排除しようとして起こる免疫反応のひとつです。細菌やウイルスなどの病原微生物に対して生じる反応とは違い、例えば花粉などといった本来であれば体に無害な物質(アレルゲンあるいは抗原)に対して反応を起こすのがアレルギーの特徴です。そのためアレルギー反応の有無は人によって異なり、その症状も千差万別です。アレルギーが起こる原因についてはまだ詳しく解明されていませんが、一般的には特定の季節だけに限られるスギやヒノキなどの花粉や、1年を通じてみられる大気汚染、ダニやほこりなどのハウスダストなども関わっているのではないかと考えられています。アレルギー疾患性結膜炎は、このさまざまなアレルギーが原因で起こる眼の疾患の総称です。
アレルギー性結膜炎は、上下のまぶたの裏側(瞼結膜)と白目の表面を覆っている半透明の膜(球結膜)である結膜に炎症が起こった状態で、充血、目やに、涙眼などの結膜炎の症状に加えてかゆみを伴うのが特徴です。これらの症状は、ヒスタミンと呼ばれる物質の作用により起こります。またこのアレルギー性結膜炎の慢性重症症状を春季カタルといいます。主に春から夏に多くみられ、冬には症状が軽くなるのに加え、この病気にかかるほとんどが小学生から中学生の男子であるという特徴があります。激しいかゆみや白い糸状の目ヤニのほかに、上まぶたの裏側にブツブツができたり、黒目と白目の境目が腫れるなどの症状があらわれることもあり、場合によっては痛みも伴います。
このようなアレルギー性結膜炎や春季カタルの治療に有効な目薬が、レクサクロム点眼液2%です。アレルギー反応はヒスタミンやロイコトリエンなどの体内のアレルギー反応を引き起こす物質が放出されることにより起こり、またこれらの物質が眼の神経や毛細血管などを刺激するために、かゆみや充血などが生じますが、レクサクロム点眼液2%の有効成分であるクロモグリク酸ナトリウムは、主に免疫細胞からの化学伝達物質(ケミカルメディエーター)の遊離を抑えることで抗アレルギー作用をあらわします。この作用から、クロモグリク酸ナトリウムは化学伝達物質遊離抑制薬に属します。
なお、レクサクロム点眼液2%はステロイド点眼薬ほど強力な作用はありませんが、副作用の心配がほとんどないため、長期間でも安心して使用することができます。