以下の場合、レキソボル50を絶対に服用しないでください。
・胸部にがん腫のある男性、または前立腺のがんが疑われる人、またはがんのある人
・高カルシウム血症を伴う胸部にがん腫のある女性: 男性作用たんぱく同化ステロイドは骨の溶骨性再吸収を刺激するおそれがあります。
・ネフローゼまたは腎炎がネフローゼ期の人
・妊娠中または妊娠を計画している人
【警告】
・男性作用たんぱく同化ステロイドを使用している人で、肝臓および時として脾臓組織が血を含んだ嚢胞に置き換えられた状態になる肝紫斑病が報告されています。これらの嚢胞は時として最小限の肝機能障害を呈しますが、肝不全を起こすこともあり、生命にかかわる肝不全または腹腔内大出血に進展するまでは発見されないことが多々あります。ただし、通常は服用の中止によりこれらの症状は消滅します。
・肝臓細胞腫瘍が報告されています。その多くは良性であり男性ホルモン依存性ですが、生命にかかわる悪性腫瘍の出現も報告されています。しかし服用の中止により腫瘍進行の退行または中止します。ところが男性ホルモンまたはアナボリックステロイドによる肝臓腫瘍はほかの肝臓腫瘍よりも血管にできることがほとんどで、生命にかかわる肝不全または腹腔内大出血に進展するまでは発見されないおそれがあります。
・男性ホルモンおよびアナボリックステロイドによる治療中の人では、アテローム性動脈硬化のリスク増加に関係する血中脂質の変化がみられます。この変化には高比重リポたんぱくの減少および、低比重リポたんぱくの増加が含まれます。またこの変化はとても著しく、またアテローム性動脈硬化および冠動脈疾患のリスクの深刻な影響がある可能性があります。
【慎重服用】
・乳がんのある人では、アナボリックステロイドが骨溶解を刺激するため高カルシウム血症を起こす可能性があります。この場合、薬の服用を中止してください。
・既存心臓・腎臓・肝臓疾患のある人では、浮腫を伴う/伴わないうっ血性心不全が重篤な合併症として起こる可能性があります。この場合、副腎皮質ステロイドまたは副腎皮質刺激ホルモンによる併用療法が加えられることがあります。
・男性ホルモン作用たんぱく同化ステロイドを使用している高齢の男性では、前立腺肥大症や前立腺がんが進展するリスクが増加する可能性があります。
・子どもにおけるアナボリックステロイドの使用による治療は、線形成長において代償性成長をせずに骨成熟を促進する可能性があり、年齢が若ければ若いほど、最終成熟背身長のリスクが高くなる可能性があります。骨成熟効果は半年ごとに手首および手の骨年齢を観察して評価してください。
【使用上の注意】
・比較的少量の17αアルキレート男性ホルモンで、胆汁うっ滞性肝炎および黄だんが発現します。黄だんを伴う胆汁うっ滞性肝炎が見られた場合、アナボリックステロイドの服用を中止してください。肝機能値に異常が生じた場合は状況をよく観察し、因果関係を決定してください。一般的に、軽度の異常の発生においてもアナボリックステロイドの使用は中断し、医師は注意深く服用量の減量をしてください。
・アナボリックステロイドには運動能力増進効果は認められていません。
・アナボリックステロイドは凝固因子II、V、VIIおよびXの抑制と、プロトロンビン時間延長の原因になる可能性があります。
・女性では男性化の徴候(声の低化、男性化、ニキビ、陰核肥大)がみられます。不可逆的変化予防のためには薬物療法の中止、または最初に軽度の男性化がみられた段階での薬物を一気に減量する必要があります。このような男性化は、通常は男性ホルモン作用たんぱく同化ステロイドを高用量使用した際に発現し、女性においては薬の使用を中止しても元に戻らなかったり、また女性ホルモンと併用しても予防できないことがあります。また生理不順がみられる可能性もあります。
・アナボリックステロイドを使用している糖尿病の人では、インスリンまたは経口低血糖薬の量の調整が必要になる可能性があります。
・成人または思春期の男性では、頻回または持続的な陰茎の勃起や、ニキビの出現・亢進がみられることがあります。
・女性では嗄声、ニキビ、生理期間の変化、顔の多毛などがみられることがあります。
・吐き気、嘔吐、皮膚色変化、足首のむくみなどがみられることがあります。
・播種性の乳がんのある女性は、男性ホルモン作用たんぱく同化ステロイドによる治療中は、尿中および血中カルシウム値の測定を頻回にしてください。
・17αアルキレート男性ホルモンの使用に関連する肝毒性のため、定期的に肝機能検査を受けてください。
・思春期前の人では、骨成熟値および骨端核に対する男性ホルモン作用たんぱく同化ステロイドの効果を測定するため、薬物治療中は半年ごとに定期的な骨年齢のX線検査をしてください。
・ほかのアナボリックステロイドと同様に、スタノゾール(アナボリックステロイド)は高比重リポたんぱく値を低下させ、また低比重リポたんぱく値を上昇させることが報告されています。一般にこれらの変化は治療の中止により元に戻ります。上昇した低比重リポたんぱくおよび低下した高比重リポたんぱくは心臓血管リスクの原因になると考えられているため、血清脂質と高比重リポたんぱくコレステロールを定期的に測定してください。
・高用量のアナボリックステロイドによる治療を受けている人は、赤血球増加症の有無を知るためにヘモグロビンおよびヘマトクリットを定期的に測定してください。
・アナボリックステロイドは、抗凝血剤に対する感受性を高める増加させます。従って、希望する治療レベルでプロトロンビン時間を維持するため抗凝血剤の量を減少する可能性があります。
・男性ホルモン作用たんぱく同化ステロイドによる治療は、総T4血清値を減少させ、またT3のレジン取り込みを増加させる結合グロブリン値を減少させる可能性がありますが、T4遊離甲状腺ホルモン値に変化はなく、また甲状腺機能異常の臨床証拠はありません。
・当薬剤は変異原性潜在力についての試験は行なっていませんが、上記に示すとおり男性ホルモンによる治療を行なっている人では発がん効果の発現がみられます。この潜在的発がん効果は薬剤の直接的な作用というよりは、ホルモンのメカニズムによるものと考えられます。
・スタノゾールは母乳中に漏出するかについては確認されていませんが、多くの薬では母乳中に漏出することが認められているため、服用中は授乳を中止するか、また授乳を継続する場合は服用を中止してください。
・妊娠中の人は服用しないでください。
・小児の服用に関する安全性は確立していません。