メタスプレー点鼻液噴霧用50mcgは、季節性アレルギー性鼻炎および通年性アレルギー性鼻炎のほか、12歳以上の人における季節性アレルギー性鼻炎の予防および18歳以上の人の鼻ポリープ(鼻茸)の治療に使用する鼻用スプレーです。
花粉、ハウスダダスト、かび類、小麦粉など、アレルギーの原因となる抗原(アレルゲン)を鼻や口から吸い込んだときに、鼻の粘膜がこれらの異物を排除しようと過剰に反応した状態がアレルギー性鼻炎で、くしゃみ、鼻水(水性鼻漏)、鼻づまり(鼻閉)を3大症状とします。 このような症状が一年中現われるのを「通年性アレルギー鼻炎」、また花粉症などのように、ある季節にだけ症状が現われるのを「季節性アレルギー鼻炎」と言います。
一度つくられた抗体が抗原を感知すると、ヒスタミンなどの化学伝達物質が脂肪細胞から遊離し、これらの物質が神経や血管にある受容体と結合します。例えばヒスタミンが鼻粘膜の表面にある知覚神経末端受容体と結合すると、刺激が延髄のくしゃみ中枢へと伝わってくしゃみが起こります。また同時に副交感神経の末端からは神経伝達物質であるアセチルコリンが放出され、鼻粘膜にある鼻腺の受容体と結合することで鼻水が、そして主に鼻粘膜の炎症・はれを起こす化学物質のロイコトリエンが末梢の血管に直接作用して血管を拡張させ、これにより血管の透過性が亢進して血管内の成分が外に漏れ出すと、その一部が鼻水となり、さらに血管の拡張と漏出した血漿成分がはれを起こし、鼻腔を狭くさせるために鼻づまりを起こします。
アレルギー性鼻炎には根本的な治療方法がありません。原因となるアレルゲンを特定し、それを可能な限り発生させないのがいちばんですが、これらを完全に排除することは不可能なうえ、即効的な効果は期待できません。そのためアレルギー性鼻炎の治療は、一般的に薬物療法が行なわれ、症状やアレルギー反応を充分に抑えて徐々にステップダウンしていく方法がとられます。
薬の種類は大きく分けて、第二世代抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエーター遊離抑制剤、抗ロイコトリエン薬などの内服薬と鼻噴霧用ステロイド薬があります。中でも鼻噴霧用ステロイド薬は一般的な特徴として、効果が強く、効果発現が早いこと、アレルギー性鼻炎の3主症状に等しく効果がある一方で、全身的な副作用が少ないことが挙げられます。
メタスプレー点鼻液噴霧用50mcgは、1日1回使用するだけでアレルギー性鼻炎の症状に高い効果を発揮する点鼻スプレーです。有効成分のモメタゾンフランカルボン酸エステルは副腎皮質ステロイドですが、グルココルチコイド受容体に対する親和性が高く、強い局所抗炎症作用を示すためにアレルギー性鼻炎に対する効果が強く、また全身吸収性が極めて低いことから安全性が高い薬剤であると考えられています。
なおモメタゾンフランカルボン酸エステルは、季節性アレルギー性鼻炎に対し、使用15日目以降は中等度改善以上の効果が90%以上で認められ、また通年性アレルギー性鼻炎の各症状に対しては、70%以上の高い改善効果を示したとの結果が報告されています。
このほかメタスプレー点鼻液噴霧用50mcgは、花粉症などの季節性アレルギー性鼻炎の予防のほか、鼻の粘膜の一部がはれてできる水ぶくれのような突起物である鼻ポリープの治療にも使用されます。