ベルピン-6は、腸管糞線虫症と疥癬(カイセン)症の治療薬です。
腸管糞線虫症は、糞線虫寄生虫による感染症で、皮疹・肺症状(咳や喘鳴など)・好酸球増加・下痢・腹痛などが伴います。一方、疥癬症はダニの仲間であるヒゼンダニの皮膚感染症で、非常に強いかゆみを伴う痒疹が現れ、主に足趾間・手首・ウエストライン・性器に紅色丘疹や疥癬トンネルが生じます。
ベルピン-6の有効成分であるイベルメクチンは、無脊椎動物の筋細胞および神経細胞にみられるグルタミン酸作動性CI-チャンネルに選択的に強力に結合する事で、細胞膜の透過性を上昇させ、神経や筋細胞の過分極が生じる事で寄生虫を麻痺させ、死滅させます。また、γ-アミノ酸(GABA)作動性のCI-チャンネルと相互作用するものと考えられています。このような作用で糞線虫と疥癬虫の活動を麻痺・死滅させ、腸管糞線虫症と疥癬症の症状を改善します。
最近ではイベルメクチンと抗ウイルス薬のニタゾキサニドを併用することで、Covid19(新型コロナウイルス)の治療にも効果的であるという研究も発表されました。イベルメクチンは、もともと単体の服用でもCovid19による致死率を80%下げられる可能性があると言われています。
ある臨床検査でイベルメクチンを服用したグループでは、死亡者は573人中8人でしたが、イベルメクチンを含まないプラセボを服用したグループでは510人中、44人の死亡者が確認されました。イベルメクチンを服用することで、Covid19が体内から除去されるのに必要な時間を短縮できるため、治療効果があるのだと推測されています。