以下の場合、プレマリン0.3mgを絶対に使用しないでください。
・エストロゲン依存性腫瘍(例えば乳がん、子宮内膜がん)およびその疑いのある人: 腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがあります。
・乳がんの既往歴のある人
・血栓性静脈炎や脳塞栓症のある人、またはその既往歴のある人: エストロゲンは凝固因子を増加させ、血栓形成傾向を送信するとの報告があります。
・動脈性の血栓塞栓疾患(例えば、冠動脈性心疾患、脳卒中)またはその既往歴のある人
・プレマリン0.3mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・妊婦または妊娠している可能性のある人
・重篤な肝障害のある人: 代謝機能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがあります。
・診断の確定していない異常性器出血のある人: 出血が子宮内膜がんによる場合は、がんの悪化あるいは顕性化を促すことがあります。
・未治療の子宮内膜増殖症のある人: 子宮内膜増殖症は細胞異型を伴う場合があります。
【慎重服用】
・肝障害のある人: 肝障害を悪化させるおそれがあります。
・子宮内膜症のある人: 症状を悪化させるおそれがあります。
・子宮筋腫のある人: 子宮筋腫の発育を促進するおそれがあります。
・心疾患・肝疾患のある人、またはその既往歴のある人: エストロゲンの過量使用では体液貯留を来たし、これらの疾患を悪化させるおそれがあります。
・てんかんの人: 症状を悪化させることがあります。
・糖尿病の人: 耐糖能を低下させるおそれがあるので充分管理を行ないながら使用してください。
・手術前4週間以内または長期臥伏床状態の人: 血液凝固能が亢進し、血管系の副作用の危険性が高くなるおそれがあるので、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。
・思春期前の少女
・乳がん家計素因が強い人、乳房結節のある人、乳腺症の人または乳房レントゲン像に異常がみられた人: 症状を悪化させるおそれがあります。
・全身性エリテマトーデスの人: 症状を悪化させるおそれがあります。
・片頭痛の人: 症状を悪化させるおそれがあります。前兆を伴う片頭痛は虚血性脳卒中を有するおそれがあります。
【重要な基本的注意】
・外国において、卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を長期併用した女性では、乳がんになる危険性が対照群の女性と比較して高くなり、その危険性は併用期間が長期になるに従って高くなるとの報告があるので、プレマリン0.3mgの使用にあたっては、リスクとベネフィットについて充分な説明を行なうとともに必要最小限の使用にとどめ、漫然と長期使用しないでください。
・使用前に病歴、家族素因などの問診、乳房検診ならびに婦人科検診(子宮を有する人においては子宮内膜細胞診および超音波検査による子宮内膜厚の測定を含む)を行ない、使用開始後は定期的に乳房検診ならびに婦人科検診を行なってください。
・プレマリン0.3mgの使用により、血栓症があらわれることがあるので、次のような症状・状態があらわれた場合は使用を中止してください。また、次のような症状・状態が認められた場合にはただちに医師などに相談するようにしてください。
1)血栓症の初期症状
下肢の疼痛・むくみ、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛、中枢神経症状(めまい、意識障害、四肢まひなど)、急性視力障害など
2)血栓症のリスクが高まる状態
体を動かせない状態、顕著な血圧上昇がみられた場合など
【適用上の注意】
生理的月経の発現に障害を及ぼすような使用は避けてください。
【その他の注意】
・ホルモン補充療法(HRT)と子宮内膜がんの危険性
卵胞ホルモン剤を長期間(約1年以上)使用した閉経期以降の女性では、子宮内膜がんになる可能性が対照群の女性と比較して高く、この危険性は、使用期間に相関して上昇し(1-5年間で2.8倍、10年以上で9.5倍)、黄体ホルモン剤の併用により抑えられる(対照群の女性と比較して0.8倍)との疫学調査の結果が報告されています。
・HRTと乳がんの危険性
1)米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験(WHI)の結果、プレマリン0.3mgと黄体ホルモンの配合剤使用群では、乳がんになる危険性がプラセボ使用群と比較して有意に高くなる(ハザード比1:24)との報告があります。並行して行なわれた子宮摘出者に対する試験の結果、プレマリン0.3mgの単独使用群では、乳がんになる危険性がプラセボ使用群と比較して有意差はない(ハザード比:0.80)との報告があります。
2)英国における疫学調査の結果、卵黄ホルモン剤と黄体ホルモン剤を併用している女性では、乳がんになる可能性が対照群と比較して有意に高くなり(200倍)、この危険性は、併用期間が長期になるに従って高くなります(1年未満:1.45倍、1-4年:1.74倍、5-9年:2.17倍、10年以上:2.31倍)との報告があります。
・HRTと冠動脈性心疾患の危険性:
米国におけるWHI試験の結果、プレマリン0.3mgと黄体ホルモンの配合罪使用群では、冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ使用群と比較して高い傾向にあり、特に使用開始1年後では有意に高くなる(ハザード比:1.81)との報告があります。並行して行なわれた子宮摘出者に対する試験の結果、プレマリン0.3mg単動使用群では、冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ使用群と比較して有意差はない(ハザード比:0.91)との報告があります。
・HRTと脳卒中の危険性:
米国におけるWHI試験の結果、プレマリン0.3mgと黄体ホルモンの配合剤使用群では、脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ使用群と比較して優位に高くなる(ハザード比:1.31)との報告があります。並行して行なわれた子宮摘出者に対する試験の結果、プレマリン0.3mg単独使用群では、脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ使用群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.37)との報告があります。
・HRTと認知症の危険性:
米国における65歳以上の閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験(WHIMS)の結果、プレマリン0.3mgと黄体ホルモンの配合剤使用群では、アルツハイマーを含む認知症の危険性がプラセボ使用群と比較して有意ではないが、高い傾向がみられた(ハザード比:1.49)との報告があります。
・長期使用により肝腫瘍が発生したとの報告があります。
・卵胞ホルモン剤使用と乳がん発生との因果関係についてはいまだ明らかではありませんが、使用期間と相関性があることを示唆する疫学調査の結果が報告されています。
・HRTと卵巣がんの危険性:
1)卵胞ホルモン剤を長期間使用した閉経期以降の女性では、卵巣がんになる危険性が対照群の女性と比較して高くなると疫学調査の結果が報告されています。
2)米国におけるWHI試験の結果、プレマリン0.3mgと黄体ホルモンの配合剤使用群において、卵巣がんになる危険性がプラセボ使用群と比較して有意ではなくが、高い傾向がみられました(ハザード比:1.58)との報告があります。
・HRTと胆のう疾患の危険性:
米国におけるWHI試験の結果、プレマリン0.3mgと黄体ホルモンの配合剤使用群において、堪能疾患になる危険性がプラセボ使用群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.59)との報告があります。並行して行なわれた子宮摘出者に対する試験の結果、プレマリン0.3mg単剤使用群では、堪能疾患になる危険性がプラセボ使用群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.67)との報告があります。
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意してください。
妊婦または妊娠している可能性のある人は使用しないでください。
卵胞ホルモン剤の使用により骨端の早期閉鎖を来たすおそれがあるので、思春期前の人は慎重に使用してください。