てんかんとは大脳の神経細胞が発する電気信号が乱れることによって発作が起こる疾患です。けいれんのような症状が出たり、意識が消失したりなどさまざまな症状が起こります。現れる症状によって発作の種類がいくつかわかれているのが特徴です。発作には大きく部分発作と全般発作にわけられます。
〈部分発作〉
・単純部分発作
発作が始まってから終わるまで意識は保たれた状態であるため、てんかん発作が起きても患者はしっかりと症状を覚えています。手足や顔が突っ張ったり、ねじれたり、けいれんを起こしたりすることが特徴です。また手足のしびれや吐き気が起こるケースもあります。
・複雑部分発作
大人でもっともよく見られる発作です。意識がなくなり、手足を動かしたり口をもぐもぐと動かしたりなどの行動が見られます。発作中は意識がないため周りの呼びかけには反応しません。
・二次性全般化発作
単純部分発作や複雑部分発作を起こした後に全身のけいれんが起こり、意識を失います。
〈全般発作〉
・強直間代発作
意識を失い、手足のつっぱりが起きた後に全身のけいれんが起こります。口から泡を吹いたり尿失禁が見られたりすることもあるものです。発作が起きた後の患者は意識がもうろうとしていることもあります。
・欠神発作
突然今までしていた動きを止めてボーッとし始める発作です。発作中は呼びかけに応答しません。子供で多く見られます。発作が起こる時間は2分の1秒以下と言われているため、とても短いことが特徴です。
・ミオクロニー発作
一瞬だけ手足や体、顔がビクッとなる発作です。
このうちフィコンパ4mgは、他の抗てんかん薬を服用しても効果が十分に出なかった部分発作と強直間代発作に対して使用できます。フィコンパ4mg単剤で治療を進めることはなく、必ず他の医薬品と併用しなければ服用できません。
フィコンパ4mgは数ある抗てんかん薬のうち、新世代薬として知られています。従来から使用されているカルバマゼピンやフェノバルビタール、バルプロ酸などは従来薬、フィコンパ4mgの主成分であるペランパネルやトピラマートは新世代薬です。
抗てんかん薬は種類によって電位作動性Na+チャネルを抑制したり、Ca+チャネルを抑制したりなどさまざまな働きを持ちます。フィコンパ4mgは、AMPA型グルタミン酸受容体に拮抗することでてんかん発作を抑えていくことが特徴です。AMPA型グルタミン酸受容体はてんかんを起こす電気信号を発生させたり、シナプスを介して伝達したりなどの働きを持ちます。そのためAMPA型グルタミン酸受容体に拮抗することで、発作を抑えることができるのです。
従来の抗てんかん薬は神経の興奮を高めるもの、もしくは神経の働きを抑える機構を強めるものが主流でした。AMPA型グルタミン酸受容体に拮抗する医薬品は他にないため、フィコンパ4mg以外の治療薬で症状がうまく抑えられなかった発作に適しています。