ファビュラスは高尿酸血症、痛風の症状を緩和する、非プリン型のキサンチンオキシダーゼ阻害薬です。
高尿酸血症とは、ヒトの血中に存在する尿酸値の血中濃度が異常に高い7mg/dL以上の状態を言い、痛風を代表とする尿酸塩の沈着に基づく諸症状の原因として知られています。
尿酸は、細胞の核酸を構成するプリン体から生成された最終代謝物のことで、通常約70%は尿の一部となって排泄されます。しかし、腎臓の機能に障害が起こって尿酸が正しく排泄されなかったり、何らかの原因で尿酸がつくられ過ぎたりすると、尿酸が結晶になって関節に沈着・累積し、それが痛風の痛みとして現われます。痛風の痛みが現われるのは、尿酸の溜まりやすい足首、くるぶし、膝の関節、手の指の付け根、手首などの関節部分で、初期症状は、約70%以上の人が足の親指から発症すると言われています。痛風患者は日本では約1600万人いると考えられています。
高尿酸血症者には、尿酸の排泄低下タイプと産生過剰タイプの2つがあり、前者は全体の約60%で、遺伝や肥満、ストレスが関与していると言われています。10%は後者で、尿酸の元になるプリン体を多く含む食品を過剰に摂取したり、激しい運動を行なう事で細胞が破壊され、体内で合成されるプリン体が増加するのが原因と言われています。残りの30%はこれらの症状が混合したタイプです。
痛風はその割合が98.5%と、圧倒的に男性に多い病気で、女性はわずか1.5%という報告もあります。理由は、女性ホルモンには腎臓からの尿酸の排泄を促す働きがあり、尿酸の血液中の濃度(血清尿酸値)が女性は男性より低いためとされています。
高尿酸血症、痛風の治療方法は、蓄積した尿酸の結晶を溶解して除去し、関節炎の再発や発症を防止することです。尿酸自体には毒性は無いため、大切なのは尿酸が結晶にならないよう、血中尿酸値を6.0mg/dL以下に低下、維持させることです。
ファビュラス40mgは、尿酸生成に関わるキサンチンオキシダーゼ酵素の働きを阻害して血中尿酸値を低下させ、高尿酸血症、痛風の症状を緩和します。 有効成分のフェブキソスタットは尿酸降下薬として2011年日本で発売された新薬で、それまでの尿酸降下薬と違い、プリン骨格構造を持たない点が特長です。
フェブキソスタット発売以前は、 長年にわたってキサンチンという尿酸降下薬が使用されていました。ところが、キサンチンはプリン骨格を基本構造に持ち、キサンチンオキシダーゼ以外の細胞代謝に関わる酵素に作用してしまうため、重症の薬疹がごくまれに生じることが問題となっていました。
ところがファビュラス40mgの有効成分であるフェブキソスタットは、キサンチンオキシダーゼに選択的に結合してその活性を阻害し、それ以外の代謝酵素を抑制しないため、このような副作用がほとんど発現しません。
尿酸生成抑制薬においては、キサンチンとの比較臨床試験の結果、フェブキソスタットはより強い尿酸値低下作用を示すという報告があり、ファビュラス40mgはキサンチンに代わる痛風、高尿酸血症の治療薬として大変期待されています。