ビセレクト10は、軽~中度の本態性高血圧症・狭心症・頻脈性不整脈の治療薬です。
本態性高血圧症は高血圧患者の約9割を占める病態で、原因を特定できない高血圧のことを指しますが、 環境要因(塩分過剰摂取・太り過ぎ・運動不足・たばこや酒の過剰摂取・過度のストレスなど)や肥満などの遺伝的体質が深く関係していると考えられています。
また本態性高血圧症では、その原因を突き止める事ができないために根本治療が不可能なため、治療では主に血圧降下剤などを用いて血圧のコントロールを行なう事が重要とされています。
一方、狭心症は、心臓へ酸素を供給する血管・冠動脈の異常による一過性の虚血により胸痛や胸部圧迫感などを伴う病気で、完全に冠動脈が閉塞したり著しい狭搾が起こった場合、心筋が壊死し心筋梗塞を伴う事もあります。
また頻脈性不整脈は心臓の興奮形成が亢進して起こる不整脈を言い、1分間の心拍数が100回以上と大きく上回り、動悸や意識が遠くなるなどの症状が現れます。
原因は刺激伝導系に過多の電流が流れるためと言われ、健康体の人にも起こりうる症状ですが、狭心症・心筋梗塞などがある人では特に起こりやすいと考えられています。
ビセレクト10の有効成分・ビソプロロールフマル酸塩は、選択的β1アンタゴニストと呼ばれる遮断薬で、心臓にある交感神経のβ受容体を遮断し心臓を安静にさせる作用があります。
また、この作用によって心臓の拍動が抑えられるため、血圧を降下させる働きも持っています。