ノルウェイズ45mgは強力な酸化防止作用を持つ薬で、主に脳梗塞後遺症や脳出血後後遺症、脳動脈硬化症などの疾患に伴う意欲低下、情緒障害、言語障害などの改善に使用されます。そのほか、老化に伴う認識障害、慢性的な血管性疾患、多発脳梗塞性痴呆症、アルツハイマータイプの痴呆症などの治療にも利用されるほか、アンチエイジング効果、酸化防止作用、美肌効果、脳の活性化なども期待されています。
脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化症は、いずれも脳の血管に問題が起こる病気です。例えば脳梗塞は脳の血管に血の塊である血栓が詰まることで、脳出血は高血圧などが原因となって脳内の小動脈にできた小動脈瘤が破裂することで起こるほか、脳動脈硬化症は脳の血管に発生した動脈硬化による血流障害が原因となり、それぞれが多かれ少なかれ関わりあっています。いずれも脳内や脳内の血管に血の塊ができ、そこから先に充分な血液が流れなくなることから周囲の脳細胞にダメージを与えたり、また細胞に栄養が行きわたらなくなるためにさまざまな脳の働きに障害が起こって来ます。主な症状として、手足のまひ、言語障害、意識障害、記憶障害、認識障害などが挙げられます。
細胞のさまざまな活動にはミトコンドリアが関係しています。ミトコンドリアは全身のひとつひとつの細胞の中にあり、呼吸、脂肪代謝、エネルギー変換など、エネルギーを産生する働きを持っています。このミトコンドリアの働きが低下すると細胞の活動も低下するため、例えば脳の神経細胞であれば、見たり、聞いたり、物事を理解したりすることが障害されます。また心臓の細胞であれば血液を全身に送ることができなくなり、筋肉の細胞の場合は運動が障害されたり、疲れやすくなったりします。
ノルウェイズ45mgは、中枢神経に作用して、脳卒中や脳虚血などに伴う情動障害、四肢麻痺、受動的回避反応障害を改善する薬です。有効成分のイデベノンは、脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンの含量および、生体リズムなどの生理機能のほか精神を安定させる働きを持つ5-HT(5-ヒドロキシトリブタミン)の代謝回転を促進し、脳ミトコンドリア呼吸活性を賦活化させることで虚血性脳機能障害を改善すると考えられています。さらにミトコンドリアは、酵素を使って必要なエネルギーを生み出す際にフリーラジカルと呼ばれる細胞毒性のある物質を産生しますが、イデベノンはその毒性を中和して細胞を保護する働きも持っています。
このほかイデベノンの抗酸化作用は、美容業界でも注目されています。過去にアンチエイジング成分として話題になったコエンザイムQ10は、同じくミトコンドリアにとって重要な抗酸化物質であり、ミトコンドリア内で発生した活性酸素を無毒化しています。しかしイソベノンが持つその強力な酸化防止作用はコエンザイムQ10 の3倍、またビタミンEや脳細胞のフリーラジカル(酸化要因)抑制薬として知られているビンポセチンと比較して30-100倍とも言われています。さらに、コエンザイムQ10は低酸素下においては酸化促進物質になってしまうという欠点があるのに対し、イデベノンは低酸素下においてもその強い抗酸化作用を保つという利点があることが知られています。これらの作用のため、イデベノンはシワやシミ、赤み、日焼けによるダメージなどの改善や、皮膚本来が持つ保護機能の促進、肌表面のバランス調整などの効果が期待されています。
イデベノンは、毎日の健康維持に欠かせない酸化防止剤ですが、単に身体機能を向上させるだけでなく、老化の進行を遅らせ、エネルギーレベルを押し上げ、知力を鋭敏にします。