ニキビ
ニキビ
◆ニキビ(尋常性ざ瘡)◆
ニキビは思春期から大人にかけて多くの人が経験する皮膚の炎症です。
皮膚の毛穴が汚れや角質、過剰な皮脂などで詰まることによって発症し、そこにアクネ桿菌のような細菌が繁殖することによって増悪します。
増悪すると炎症によって毛穴の周辺が赤く腫れ(紅色丘疹)、炎症の進行に伴って痛みや化膿による膿ニキビの形成といった症状がみられるようになります。
炎症の悪化は真皮や皮下組織にまで影響を与えるため、例えニキビが治っても皮膚にクレーターのような瘢痕や色素沈着による赤みが残ってしまうことがあります。
ニキビの種類には思春期ニキビと大人ニキビとがあります。
思春期ニキビとは、子供の体から大人の体へと変わる「第二次性徴」によるホルモンバランスの崩れを原因とするニキビです。
10代を中心とした思春期に見られるもので、思春期を過ぎ、ホルモンのバランスが整ってくることで自然と収まってくるものを指しています。
その一方、大人ニキビとは思春期を過ぎた20代以降になってからできるもので、肌の新陳代謝の低下、ストレスや睡眠不足、食生活の乱れ、間違ったスキンケア法などが原因となって発症するものです。
特に顎、口周囲、頬、鼻といった部位に見られやすく、同じ場所に繰り返して発生するうえ、治りにくく、痕が残りやすいといった特徴があります。
◆ニキビの症状◆
ニキビは段階を経て進行します。
※白ニキビ・黒ニキビ:
ニキビの初期段階です。
皮脂や角質が毛穴のなかで凝固して生成された角栓によって毛穴の出口がふさがれ、過剰に分泌された皮脂が排出されずに、毛包内に溜まってしまった状態です。
この状態は医学用語で「面皰(コメド)」と呼ばれる状態となります。
また、毛穴部分に汚れが詰まったり、溜まった皮脂が参加して黒く見えるようになった状態が黒にきびです。
※赤ニキビ
毛穴に常在しているアクネ桿菌が異常増殖し、炎症を引き起こしている状態です。
アクネ桿菌は毛穴に溜まっている皮脂を分解しながら増殖しますが、その際に炎症を引き起こす遊離脂肪酸を生成します。
この遊離脂肪酸によって毛包に炎症が起こっている状態が赤ニキビとなります。
※黄ニキビ(化膿ニキビ)
炎症の進行によって毛包に膿が溜まった(膿腫)と呼ばれる状態で、ニキビが最重症化した症状です。
皮膚の真皮層にまで炎症が及んでしまうため、真皮や皮下組織にまで損傷が及び、例えニキビが完治しても皮膚にクレーターのようなニキビ跡や色素沈着を引き起こすことになります。
◆ニキビの治療法◆
一般にニキビ治療薬としては抗炎症作用を持つクリームや、炎症を増悪させる細菌の増殖を抑制する抗生物質、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)を促進し、細菌増殖の原因となる毛穴周辺に溜まった角質を除去する作用のある薬剤が使用されています。
また、その一因となっているホルモンバランスの変動を安定化させるために、男性ホルモンの過剰作用を抑制する抗アンドロゲン剤や、経口避妊薬が用いられることもあります。
しかし、これらの治療薬はあくまでも症状に対する対症療法となり、根治療法ではありません。
思春期ニキビはホルモンバランスの崩れによる皮脂の過剰分泌が原因ですが、このホルモンバランスは思春期を過ぎるころから整ってくるため、ニキビも自然におさまってきます。
そのため対策としては、こまめな洗顔によって皮膚を清潔に保つようにする、偏食や夜更かしといった生活の乱れを改善する、できてしまったニキビをつぶさないようにするといった事が重要とされています。
大人ニキビは慢性疾患であるため、根気強い治療が必要となります。
治療としては、皮脂の過剰な分泌を抑えたり、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)の低下といった原因を改善するための、睡眠不足の解消、バランスのとれた食生活といった規則正しい生活を送ることが大切とされています。
また、ストレスをためないよう心がけたり、皮脂を取り除きすぎたり、逆に油分を与えすぎるようなスキンケアの見直しも欠かせないとされています。
◆ニキビの増加を引き起こす細菌の増殖を抑制する抗生物質◆
1. 外用薬 |
2. 内服薬 |
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◆皮膚のターンオーバー促進作用によりニキビを解消する作用のあるもの◆
1. 外用薬 |
2. 内服薬 |
イソトロイン(アキュテインジェネリック)20mg | |
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◆ニキビの原因となるホルモンバランスを安定化させる作用のあるもの◆
1. 経口避妊薬(ピル) |
2. 抗アンドロゲン(男性ホルモン)剤 |
スピロトン (スピロノラクトン) 25mg | |