デポ プロベラ 150mg 1mlは避妊を目的とした黄体ホルモンの注射剤です。
すぐに注射できるように注射針がセットになっています。
デポ プロベラは正確には、プロベラの有効成分であるメドロキシプロゲステロン酢酸エステルの水酸化物であるプレグナレン17α-ヒドロキシプロゲステロン(pregnane17α-hydroxyprogesterone)が有効成分となっています。
プロベラとほぼ同じものが有効成分として用いられていますが、このデポ プロベラ(注射剤)は避妊を主目的に使用される点でプロベラ(錠剤)と大きな違いがあります(子宮内膜症の治療・生理痛のひどい患者にも用いられます) 。
プロベラ(錠剤)は、ファイザーが発売しているメドロキシプロゲステロン酢酸エステルを有効成分とする経口黄体ホルモン剤で、プロベラのほかにも、メドキロン(東和)、ネルフィン(ポーラ)、プロゲストン(富士製薬)、ヒスロン(協和発酵キリン)などの名前で発売されていますが、デポプロベラ(注射剤)は日本では発売されていません。
このデポプロベラは、年に4回(3ヶ月ごと)に注射することによって、99.7%という高い確率で避妊できることが知られています。
アメリカではFDA(アメリカ食品医薬品局・日本の厚生労働省にあたる機関の所属)の承認を受けた医薬品として何百万人もの使用者がいますが、日本では医薬品として認可されていません。
デポ プロベラ(注射剤)は下垂体前葉からのFSH(卵胞刺激ホルモン/Follicle-Stimulating Hormone)・LH(黄体形成ホルモン/Luteinizing Hormone)放出を停止させることにより排卵を抑制し、さらに子宮頸管粘液の濃度を上げ、精子が子宮内へ侵入するのを妨ぐ事などにより、避妊を行ないます。
避妊すると同時に、月経の回数が減る、月経量が減る、月経痛が軽減されるなどの効果もあり、子宮ガン、卵巣ガンを患う確率が減り、子宮内膜症の痛みが軽減されるなどの利点も観察されています。
デポプロベラの有効成分であるプレグナレン17α-ヒドロキシプロゲステロン、プロベラの有効成分であるメドロキシプロゲステロン酢酸エステルは抗男性ホルモン剤(男性ホルモン(アンドロゲン)の働きを抑制する薬物)と呼ばれることもあります。