デエビゴは、オレキシン受容体に働きかけることで眠気を促す薬です。オレキシンは脳の覚醒を促す物質として知られています。オレキシン受容体に拮抗することで覚醒を阻害し、睡眠を促すのがデエビゴです。不眠症に対して効果が認められており、依存性が少ない新しい睡眠薬として医療機関でも処方されています。
不眠症は国民病ともいわれており、日本人の5人に1人が睡眠に関して悩みを抱えて生活している そうです。症状としては、大きく「入眠障害」「中途覚醒」「早朝覚醒」「熟眠障害」の4つがあります。なかなか寝付けないものが入眠障害、途中で目が覚めて寝られなくなるものが中途覚醒、予定よりも早くに目が覚めてしまうものが早朝覚醒、寝たのに熟睡感が得られないものが熟眠障害です。
このうち、デエビゴはおもに中途覚醒と早朝覚醒、熟眠障害に効果を発揮します。入眠障害に関しても効き目が確認されているため、不眠症のどの症状にも対応しやすいといえるでしょう。
一般的によく用いられている睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系と呼ばれるものです。これはGABAという興奮を落ち着かせる神経伝達物質の働きを促すことで眠気を誘います。薬の種類によって効果の持続時間が違うため、どのような不眠症の症状が出ているのかに合わせて選ぶことが基本です。
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は広く使われていますが、依存性が出やすいことが問題視されています。薬の服用を止めようと思っても止められない、薬の効きが悪くなり量を増やさないと寝られないなどの症状が出てしまうことがあるのです。一方でデエビゴは、ベンゾジアゼピン系とはまったく異なる機序で不眠症の症状を改善します。そのため、ほとんど依存性がありません。
デエビゴは比較的、安全性が高い薬ですが自己判断で量の調節はしないようにしてください。また、服用する際はデエビゴの効き目が悪くなるのを予防するために食事の直後の服用は避けましょう。食事の影響を受けて、血中濃度が上がらず効果が十分に出ない可能性があります。