ディオバン(バルサルタン)80mgは、高血圧症の治療薬です。
有効成分のバルサルタン(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬/AⅡ受容体)は、体内で生産されるアンジオテンシンⅡ受容体に結合し、昇圧作用を示すアンジオテンシンⅡの血管収縮作用を遮断することにより高血圧症の血圧を下げる効果があります。
高血圧症は、通常、人間の正常血圧範囲『収縮期血圧130mmHg未満・拡張期血圧85mmHg未満』を超えて高く維持されている状態を指します。しかし高血圧自体は自覚症状が何もない事が多いため、知らず知らずのうちに虚血性心疾患、脳卒中、腎不全などの合併症を併発するおそれがあります。
高血圧症の分類は、本態性高血圧(原発性高血圧)と二次性高血圧の2種類があり、二次性高血圧は明らかな原因疾患から生じる高血圧で、しばしば手術などで完治する確率が高いとされています。
その一方で高血圧患者の90%以上を占めるとされる本態性高血圧(原発性高血圧)は、遺伝素因に加え生後の成長過程~加齢プロセスにおける食事、肥満、過度のストレスや過労などの様々な生活習慣が絡み合って生じる病態と考えられており、肥満・高脂血症・糖尿病との合併症を生じさせます。
そのような状態は『メタボリックシンドローム』と呼ばれ『死の四重奏』と称される程の恐ろしい病気です。
ディオバン(バルサルタン)80mgの有効成分・バルサルタン(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬/AⅡ受容体)は、強い血圧上昇因子で動脈の平滑筋にあるアジオテンシンⅡの特異的結合作用部位であるアンジオテンシンⅡ受容体(AT1タイプ)に働きかけ、血圧上昇や副腎皮質からのアルドステロンの分泌を刺激します。
アンジオテンシンⅡ受容体には、AT1タイプとAT2タイプがありますが、ディオバン(バルサルタン)80mgの有効成分・バルサルタン(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬/AⅡ受容体)は、特にAT1タイプに強い親和性を持って結合するため、アジオテンシンⅡの作用がこの部位でブロックされて血圧が降下するという特徴を持っています。