【重要な基本注意】
中毒性表皮壊死症やスティーブン・ジョンソン症候群といった重篤、且つ致命的な皮膚反応の発現がカルバマゼピンを用いた治療において報告されています。
これらの重篤な症状の発症率は白人においては1000人中において約1-6人とされていますが、アジア人においては発症率がその10倍になるともいわれています。
そのためカルバマゼピンの使用の影響による発疹がみられた場合には、カルバマゼピンの使用を停止する必要があります。
また、症状によって中毒性表皮壊死症やスティーブン・ジョンソン症候群が疑われる場合、カルバマゼピンを用いた治療の継続はせず、他の薬剤による治療が必要となります。
カルマバマゼピンの使用による中毒性表皮壊死症やスティーブン・ジョンソン症候群の発症は遺伝的マーカーヒト白血球抗原(組織適合抗原)HLA-B*1502と関連があるとされています。
そのため遺伝子的にリスクのある祖先を持つ人においてはカルバマゼピンの治療を開始する前にHLA-B*1502の有無を確認する必要があり、HLA-B*1502を有するとされる患者にはカルバマゼピンの薬理効果が危険性を上回るとされない限り、カルバマゼピンを用いた治療を開始するべきではないとされています。
カルバマゼピンの使用による中毒性表皮壊死症やスティーブン・ジョンソン症候群の発症の90%以上は治療開始後数カ月以内であるといわれています。
この情報に現在基づき、カルバマゼピンの治療を受けている患者で遺伝的に中毒性表皮壊死症やスティーブン・ジョンソン症候群の発症の可能性が高い人においては、スクリーニングの実施が必要となる場合も有ります。
カルバマゼピンの使用と再生不良性貧血や無顆粒球症の発症が関連付けられています。
薬剤によって血液に有害な反応が引き起こされたことのある患者においては骨髄抑制のリスクがあるとされています。
カルバマゼピンの使用によって骨髄抑制作用がみられた場合にはカルバマゼピンの使用を停止する必要があります。
カルバマゼピンを含めた抗精神病薬の使用によって自殺願望や自殺行為が増強されることがあるため、このような兆候がみられる患者においては注意深い経過の観察が必要となります。
また以下の場合、テグレトールCR 200を絶対に服用しないでください。
・テグレトールCR 200の成分または三環系抗うつ剤に対して過敏症の既往歴のある人
・重篤な血液障害のある人: 血液異常をさらに悪化させるおそれがあります。
・第II度以上の房室ブロック、高度の徐脈(50拍/分未満)のある人: 刺激伝導を抑制し、さらに高度の房室ブロックを起こすことがあります。
・ボリコナゾールを服用中の人: ポリコナゾールの血中濃度が減少するおそれがあります。
・ポルフィリン症の人: ポルフィリン合成が増加し、症状が悪化するおそれがあります。
以下の場合、テグレトールCR 200を慎重に服用してください。
・心不全、心筋梗塞などの心疾患または第I度の房室ブロックのある人
・排尿困難または眼圧亢進などのある人
・高齢者
・肝障害、腎障害のある人
・薬物過敏症の人
・甲状腺機能低下症の人
テグレトールCR 200服用に際してのその他の注意事項は以下のとおりです。
・連用中における服用量の急激な減少ないし服用の中止により、てんかん重積状態が現われることがあります。
・服用を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行なってください。
・高齢者、虚弱者の人は特に注意してください。
・連用中は定期的に肝・腎機能、血圧検査を行なうことが望ましいとされています。
・眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの低下が起こることがありますので、服用中は自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事しないように注意してください。
・統合失調症の興奮状態への使用に際しては、抗精神病薬で充分な効果が認められない場合に使用してください。
・抗てんかん剤の服用により発作が悪化または誘発されることがあります。
・混合発作型あるいはテグレトールCR 200が無効とされている小発作(欠神発作、非定型欠神発作、脱力発作、ミオクロニー発作)の人がテグレトールCR 200を服用する場合は状態に注意し、発作が悪化あるいは誘発された場合はテグレトールCR 200の服用を徐々に減量し中止してください。
・眠気、悪心・嘔吐、めまい、複視、運動失調などの症状は過量服用の徴候であることが多いため、このような症状が現われた場合は徐々に減量してください。
・特に服用開始初期にみられることが多いので、低用量より服用を開始することが望ましいとされています。
・妊娠中にテグレトールCR 200を服用した人の中に、奇形(二分脊髄を含む)を有する児や発育障害の児を出産した例が多いとの疫学的調査報告があります。またテグレトールCR 200の単独服用に比べ、テグレトールCR 200とほかの抗てんかん剤(特にバルプロ酸ナトリウム)の併用では、口蓋裂、口唇裂、心室中隔欠損などの奇形を有する児の出産例が多いとの疫学的調査報告があるため(なお、尿道下裂の報告もあります)、妊婦または妊娠している可能性がある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ服用してください。やむを得ず妊娠中に服用する場合は、可能な限りほかの抗てんかん剤との併用は避けることが望ましいとされています。
分娩前にテグレトールCR 200またはほかの抗てんかん剤と併用し連用した場合、出産後新生児に禁断症状(けいれん、呼吸障害、嘔吐、下痢、摂食障害など)が現われるとの報告があります。
妊娠中の服用により、新生児に出血傾向が現われることがあります。
妊娠中の服用により、葉酸低下が生じるとの報告があります。
母乳中にテグレトールCR 200の成分が移行することが報告されているため、授乳中の人は治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ服用してください。
ほかの抗てんかん剤に服用変更する場合は、増悪を防止するため、通常、ジアゼパムまたはバルビツール酸系化合物の併用を行なうことが望ましいとされています。
血清免疫グロブリン(IgA、IgGなど)の異常が現われることがあります。
男性の生殖能力障害と精子形成異常の報告があります。
テグレトールCR 200とほかの抗てんかん薬(フェニトイン、フェノバルビタール)との間に交差過敏症(過敏症症候群を含む皮膚過敏症)を起こしたとの報告があります。
コーラとテグレトールCR 200を同時に服用すると、テグレトールCR 200の血中濃度が増加する可能性があります。