ダパ2.5mgは非チアジド(サイアザイド)系の降圧剤で、比較的利尿作用が弱い割に強い降圧効果を発揮し、かつ高い持続性を特長とした、主に本態性高血圧に有効な薬です。
高血圧とは、心臓が血液を全身に送り出す際の圧力が基準値よりも高い状態のことを言い、通常は最高血圧が140mmHg、最低血圧が90mmHg以上の場合を指します。
その約9割を占めるのが本態性高血圧と呼ばれる原因不明の高血圧で、そのうち約4割が遺伝、残りは生活習慣が深く関わっているとされています。
肥満、過労、睡眠不足などは特に高血圧を引き起こしやすく、さらに日本人の場合はその食習慣から塩分を多く摂り過ぎる傾向にあり、これもまた高血圧に結びついていると考えられています。
人によってはめまい、動悸、頭痛、肩こりといった症状が現われることがありますが、特異な症状ではないことからそのまま放置されがちです。
高血圧の長期間にわたる放置は血管や臓器に損傷を引き起こし、脳卒中、心臓病、腎臓病といった重篤な合併症を誘発します。
そのため高血圧治療の目的は、単に血圧を下げるだけでなく、高血圧に起因する将来起こりうる心臓や血管の病気や、脳卒中などを予防することにあります。
血圧は体内の循環血液量の増加によって血管に過剰な圧力がかかることで上がりますが、この循環血液量の増加は腎臓におけるナトリウムイオン(塩分)の再吸収に伴う水分の再吸収によってもたらされます。
また血液中の過剰なナトリウムイオンは血管壁の細胞に蓄積し、その細胞が水分を吸収することで膨れ、血管壁を肥厚させます。
壁が厚くなった血管は内部が狭くなり、血管壁にさらに圧力がかかることから血圧が上昇してしまいます。
ダパ2.5mgは排尿を促進し、体内の余分な水分の排出することよって降圧効果を発揮する利尿薬です。
有効成分のインダパミドは腎臓の尿細管(特に遠位尿細管)のナトリウム-カリウム輸送担体を阻害することによってナトリウムイオンが血中内に再吸収されるのを抑制します。
それに伴い水分の血中への再吸収が阻害され、尿として体外に排出されるため循環血液が減少し、結果として降圧作用がもたらされることとなります。
ダパ2.5mgの利尿作用はさほど強くありませんが、血管壁に直接働きかけ、末梢血管収縮を抑制し血圧を拡げる作用も併せ持っているためすぐれた降圧降下がみられます。
また効果が24時間以上持続することから1日1回の服用でも顕著な降圧作用を示し、長期間服用しても糖・脂質代謝に対しする悪影響や効果の減弱がないことが証明されています。