ダノゲン200は、子宮内膜症の治療薬です。女性ホルモンを抑える働きがあるため、低用量では乳腺症の症状を改善する効果も発揮します。
子宮内膜は子宮の内側を被っている粘膜で、来たるべき着床(妊娠)に備えて栄養を蓄え、1ミリ程度から1センチほどの厚さにまでに増殖します。しかし、妊娠が成立しなかった場合はこの増殖した部分が不要となるため、血液と共にはがれ落ちます。これが月経です。
子宮内膜症は、本来であれば子宮の内側に存在すべきこの子宮内膜が、骨盤中の腹膜や卵巣、またまれなケースではへそ、肺、腸などの場所に増殖してしまう疾患です。子宮以外の場所で増殖した子宮内膜は、月経血として膣から体の外に流れ出ることができないために腹腔内にとどまり、これが原因となって炎症や痛み、癒着などが起こることもあります。
子宮内膜症の原因については、子宮内膜を含んだ月経血の一部が卵管から逆流し、卵巣や周囲の臓器に留まって移植される、という子宮内膜移植説をはじめ、卵巣を包む被膜や子宮、卵管などの臓器を包む腹膜の体腔上皮という組織が、何らかの原因により子宮内膜に変化する、という体腔上皮化生説などのほか、環境ホルモン説、アレルギー説などが今のところ有力ですが、詳しくは解明されていません。またそれ以外にも食生活の変化や、初潮年齢低下、出産回数の減少、高齢出産などによる生涯の生理回数の増加といったライフスタイルの変化も、子宮内膜症の増加と関係があると考えられています。
一方の乳腺症は、母乳を作り、分泌する乳腺に圧痛、自発痛、痛みを伴うしこりなどの症状があらわれる良性疾患です。乳がんや乳腺炎のようにはっきりとした病気ではなく、乳腺に起こるさまざまな病変の総称で、特に30-50代の女性によくみられますが、乳腺症が起こる原因については不明です。しかし、卵巣からのホルモン分泌が増える生理前になると症状が強くなり、生理が終わると和らぎ、さらに閉経後は症状が自然に緩和されることから、エストロゲン(女性ホルモン)の過剰によるホルモンの不均等が関与していると考えられています。
乳腺症は前がん状態ではありませんが、その約2割にがん化しやすい病変が含まれているため、乳腺症発覚後は定期
ダノゲン200は、子宮内膜症の治療薬です。女性ホルモンを抑える働きがあるため、低用量では乳腺症の症状を改善する効果も発揮します。
子宮内膜は子宮の内側を被っている粘膜で、来たるべき着床(妊娠)に備えて栄養を蓄え、1ミリ程度から1センチほどの厚さにまでに増殖します。しかし、妊娠が成立しなかった場合はこの増殖した部分が不要となるため、血液と共にはがれ落ちます。これが月経です。
子宮内膜症は、本来であれば子宮の内側に存在すべきこの子宮内膜が、骨盤中の腹膜や卵巣、またまれなケースではへそ、肺、腸などの場所に増殖してしまう疾患です。子宮以外の場所で増殖した子宮内膜は、月経血として膣から体の外に流れ出ることができないために腹腔内にとどまり、これが原因となって炎症や痛み、癒着などが起こることもあります。
子宮内膜症の原因については、子宮内膜を含んだ月経血の一部が卵管から逆流し、卵巣や周囲の臓器に留まって移植される、という子宮内膜移植説をはじめ、卵巣を包む被膜や子宮、卵管などの臓器を包む腹膜の体腔上皮という組織が、何らかの原因により子宮内膜に変化する、という体腔上皮化生説などのほか、環境ホルモン説、アレルギー説などが今のところ有力ですが、詳しくは解明されていません。またそれ以外にも食生活の変化や、初潮年齢低下、出産回数の減少、高齢出産などによる生涯の生理回数の増加といったライフスタイルの変化も、子宮内膜症の増加と関係があると考えられています。
一方の乳腺症は、母乳を作り、分泌する乳腺に圧痛、自発痛、痛みを伴うしこりなどの症状があらわれる良性疾患です。乳がんや乳腺炎のようにはっきりとした病気ではなく、乳腺に起こるさまざまな病変の総称で、特に30-50代の女性によくみられますが、乳腺症が起こる原因については不明です。しかし、卵巣からのホルモン分泌が増える生理前になると症状が強くなり、生理が終わると和らぎ、さらに閉経後は症状が自然に緩和されることから、エストロゲン(女性ホルモン)の過剰によるホルモンの不均等が関与していると考えられています。
乳腺症は前がん状態ではありませんが、その約2割にがん化しやすい病変が含まれているため、乳腺症発覚後は定期的な乳房検査を受けることが推奨されています。
これら子宮内膜症の治療や乳腺症の諸症状を改善する薬がダノゲン200です。有効成分のダナゾールは微量の男性ホルモンを含むホルモン剤で、脳から出される2種類の性腺刺激ホルモン(主に黄体化ホルモン)を抑えることでエストロゲンを抑制し、排卵と月経を止めて一時的に子宮を閉経状態にするほか、卵巣や子宮内膜症組織に直接作用して異所性子宮内膜組織を萎縮・壊死させることで子宮内膜症を治療します。
乳腺症に対する作用は子宮内膜症と同様に、中枢への作用とエストロゲン産生臓器である卵巣への直接作用、さらに血中SHBG(性ホルモン結合グロブリン)との結合による遊離テストステロンの増加などにより、乳腺細胞の増殖を抑制します。
ダナゾールの効果は高く、服用中はほとんどの場合で症状が改善します。通常は4ヵ月服用後に服用を一時中止しますが、ダナゾールは病気そのものを治すわけではないため、中止後に後再び症状が出現する可能性があることに留意してください。
なお乳腺症治療の適用は、1日200mgを2回に分け、月経周期第2-5日から4-6週間連続経口服用する、となっています。ダノゲン50またはダノゲン100を服用してください。