以下の場合、タンボコール100mgを絶対に服用しないでください。
・うっ血性心不全のある人: タンボコール100mgは陰性変力作用を有し、心不全症状をさらに悪化させることがあります。
・高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある人: タンボコール100mgは房室伝導、洞室伝導を抑制する作用を有し、刺激伝導をさらに悪化させることがあります。
・心筋梗塞後の無症候性心室性期外収縮あるいは非持続型心室頻拍のある人: 突然死に関する臨床試験(CAST)の結果、このような人ではタンボコール100mgの服用により死亡率が増加するとの報告があります。
・妊婦または妊娠している可能性のある人
・リトナビルを服用中の人
・チオリダジンを服用中の人
【慎重服用】
・基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症など)のある人: タンボコール100mgは陰性変力作用を有し、心機能を悪化させることがあります。
・高齢者: 一般に肝・腎機能が低下していることが多く、また体重が少ない傾向があるなど、副作用が発現しやすいので慎重に服用してください。
・刺激伝導障害(房室ブロック、洞室ブロック、脚ブロックなど)のある人: タンボコール100mgは房室伝導、洞室伝導などを抑制する作用を有し、刺激伝導をさらに悪化させることがあります。
・著明な洞性徐脈のある人: タンボコール100mgは洞結節機能を抑制することがあります。
・うっ血性心不全の既往歴のある人: タンボコール100mgは陰性変力作用を有し、心機能を悪化させることがあります。
・肝機能障害のある人: タンボコール100mgは肝臓で代謝されるため、このような人においては過量服用になるおそれがあります。
・重篤な腎機能障害のある人: タンボコール100mgは腎臓から排泄されるため、このような人では過量服用になるおそれがあります。
・血清カリウム低下のある人: このような人では催不整脈作用が生じやすく、高度の不整脈に発展するおそれがあります。
【重要な基本的注意】
・タンボコール100mgは、ほかの抗不整脈薬が使用できないか、または無効の場合のみ使用を考慮してください。
・タンボコール100mgの服用に際しては、頻回に状態を観察し、心電図、脈拍、血圧、心胸比を定期的に調べてください。PQの延長、QRS幅の増大、QTの延長、徐脈、血圧低下などの異常所見が認められた場合には、直ちに減量または服用を中止してください。
特に、以下の場合には少量から服用を開始するなど充分に注意するとともに、頻回に心電図検査を実施してください。
1.基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症など)があり、心不全を来たすおそれのある人: タンボコール100mgは陰性変力作用を有し、心機能を悪化させることがあります。また、心室性不整脈の人が服用する場合には、心室頻拍、心室細動などが発現するおそれが高いので、開始後1-2週間は入院してください。
2.高齢者: 副作用が発現しやすいので、充分に注意してください。また、心室性不整脈の人が服用する場合には、入院して開始することが望ましいとされています。
3.ほかの抗不整脈との併用: 有効性、安全性が確立していません。
4.腎機能障害のある人: タンボコール100mgは腎臓からの排泄により体内から消失する薬剤であり、血中濃度が高くなりやすいとされています。
・重篤な腎障害(クレアチニンクリアランスが20ml/分以下)を伴う人では、血漿中濃度が予測以上に上昇する可能性があるので、1日量として100mgを超えないことが望ましいとされています。
・タンボコール100mgは心臓ペーシング閾値を上昇させる可能性があるので、恒久的ペースメーカー使用中、あるいは一時的ペーシング中の人は充分注意して服用してください。また、ペースメーカー使用中の人が服用する場合は、適当な間隔でペーシング閾値を測定してください。異常が認められた場合には、ただちに減量または服用を中止してください。
・1日用量200mgを超えて服用する場合、血漿中濃度が予測以上に上昇し、副作用発現の可能性が増大するので注意してください。
・タンボコール100mgによる催不整脈は服用初期や増量時に現われることが多いので、充分に注意してください。
・発作性心房細動・粗動の人が服用する場合には、発作停止時に洞停止、洞不全症候群の誘発の危険性が高くなるので、充分に注意してください。
・タンボコール100mgの服用中に、めまい、ふらつきなどの精神神経系症状が発現し、増悪する傾向にある場合には、直ちに減量または服用を中止してください。
・タンボコール100mgでブルガダ症候群に特徴的な心電図変化(右脚ブロックおよび右側胸部誘導のST上昇)が顕在化したとの報告があるので、それに伴う心室細動、心室頻拍、心室性期外収縮などの発現に注意してください。
・母乳および乳製品の摂取により、タンボコール100mgの吸収が抑制され、有効性が低下するおそれがあるので、特に乳幼児に使用する場合には充分注意してください。また、母乳および乳製品の摂取中止時には、タンボコール100mgの血中濃度の上昇に充分注意してください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・小児などにタンボコール100mgを使用する場合、小児などの不整脈治療に熟練した医師の監督の下で使用してください。基礎心疾患のある心房粗動および心室頻拍では、有益性がリスクを上回ると判断される場合にのみ服用してください。
乳汁中へ移行することが報告されているので、授乳中の人は服用を避け、やむを得ず服用する場合は授乳を避けてください。
心筋梗塞後の無症候性心室性期外収縮あるいは非持続型心室頻拍を対象として突然死に関する臨床試験(CAST)を実施した結果、タンボコール100mg服用中群の死亡率は服用していないグループよりも高かったとの報告があります。