タイガーバームは、筋肉疲労、筋肉痛、肩こり、うちみ、捻挫、腰痛、神経痛、関節痛、リウマチなどに効果を発揮する外用消炎鎮痛軟膏です。ほかにも虫さされの予防、鼻づまりの解消、気分転換などに使用されることもあります。
細胞は、血液が運ぶ酸素や栄養により代謝をしているため、何らかの原因で血液の流れが悪くなると充分な栄養が届かず、正しい活動や代謝ができなくなって内臓や筋肉の機能不全が起こることがあります。また、血流が悪化して酸素不足や老廃物が蓄積すると、痛みを起こす発痛物質であるブラジキニンが発生し、それが脳に運ばれることでも肩こりや腰痛などの痛みを感じるようになります。
悪くなった血行を改善する方法には、食事や運動、生活習慣の改善などのほか、薬剤が使用されることもありますが、タイガーバームもそのひとつで、カンファー、メントール、クローブ油など生薬を有効成分とした軟膏タイプの外用鎮痛薬です。
タイガーバームの成分の多くを占めるカンファーは、古くから防虫剤としても使用されている樟脳(クスノキ)から抽出されたオイルで、鎮静・リラックス効果のほか、呼吸器系・循環器系への刺激作用があり、鼻づまりや咳、気管支炎などの呼吸器系の不調緩和に効果が期待できます。さらに、血行促進作用や抗炎症作用、鎮痛作用があり、疲労回復やリウマチ、神経痛、関節炎、肩こり、腰痛、頭痛、便秘・下痢などの緩和にも幅広く利用されています。
また、もうひとつの有効成分であるメントールにはこれらと同様の作用のほかに、風邪やインフルエンザなどの感染症に対する抗菌・殺菌・抗ウイルス作用、風邪や花粉症による鼻づまりの解消にも役立つほか、精神的な緊張やイライラの緩和、心身をリラックスさせる鎮静効果、抑うつや無気力を改善する精神安定化作用、さらに眠気を覚ます覚醒作用など、神経系にも効果をもたらします。
これらの成分に加え、殺菌作用、局部麻酔鎮痛作用のあるクローブ油や、頭痛・偏頭痛・筋肉痛・関節痛・神経痛などあらゆる痛みの緩和に有効で、気分をリフレッシュする効果があるとされているカユプテ(カヤプテ)油なども配合しています。
タイガーバームは浸透性にすぐれた軟膏で、患部に塗ると天然生薬の成分が皮膚からすみやかに吸収されて血行を促進し、筋肉の疲れ、痛み、肩のこりなどにすぐれた効果をあらわします。なおタイガーバームにはさまざまな種類があり、中でもタイガーバーム・レッドはメントールが控えめで、塗布するとポカポカする温感タイプ。またチャイニーズシナモンとも呼ばれているカッシア油やスパイスとしても使われるクローブ油を加えているため、どことなくシナモンっぽいオリエンタル風の香りが特徴で、タイガーバーム独特のスースーした香りが苦手な人にも最適です。