以下の場合、ゼストリル10mgを絶対に服用しないでください。
・ゼストリル10mgの成分に対して過敏症の既往歴のある人
・血管浮腫の既往歴のある人(アンジオテンシン変換酵素阻害剤などの薬剤による血管浮腫、遺伝性血管浮腫、後天性血管浮腫、特発性血管浮腫など): 高度の呼吸困難を伴う血管浮腫が発現することがあります。
・デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコールまたはポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の人: ショックを起こすことがあります。
・アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の人: アナフィラキシー様症状が現われることがあります。
・妊婦または妊娠している可能性のある人: 妊娠中期および末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を服用した高血圧症の人で、羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全および羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形などが現われたとの報告があります。
また海外で実施されたレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を服用した人たちにおいて、胎児奇形の相対リスクが降圧剤を服用していない人たちに比べて高かったとの報告があります。
また服用中に妊娠が判明した場合は、直ちに服用を中止してください。
以下の場合、ゼストリル10mgを慎重に服用してください。
・両側性腎動脈狭窄のある人、または片腎で腎動脈狭窄のある人: 腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能が悪化するおそれがあります。
・高カリウム血症の人: 症状を増悪させるおそれがあります。
・重篤な腎機能障害のある人: 排泄の遅延による過度の血圧低下および腎機能を悪化させるおそれがあります。
・脳血管障害のある人: 過度の血圧低下により病態が悪化するおそれがあります。
・高齢者: 脳梗塞などが起こるおそれがあるため、過度の降圧は好ましくないとされています。
低用量から服用を開始するなど慎重に服用してください。
以下の場合、ゼストリル10mgの服用に際して、充分に注意してください。
1.軽度-中等度の高血圧症および慢性心不全の場合
・両側性腎不動脈狭窄のある人、または片腎で腎動脈狭窄のある人: 腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により、急速に腎機能が悪化するおそれがあります。
・高カリウム血症の人: 高カリウム血症を増悪させるおそれがあるため、治療上やむを得ないと判断された場合にのみ服用してください。
・また腎機能障害、コントロール不要の糖尿病などにより血清カリウム値が高くなりやすい人は、高カリウム血症が発現するおそれがあります。
・手術の24時間前
2.高血圧症の場合
以下の場合、初回服用後に一過性の急激な血圧低下を起こすことがあります。
・重症の高血圧の人、血液透析中の人、利尿降圧剤投与中の人(特に最近利尿降圧剤の服用を開始した人)、厳重な減塩療法中の人
・過度の血圧低下により心筋梗塞、脳血管障害の危険性のある人は服用しないでください。
3.慢性心不全(軽度-中等後)の場合
・ジギタリス製剤、利用剤などの基礎治療剤で充分は効果が認められない症例にのみ追加服用してください。
・なおゼストリル10mgの単独投与での有用性は確立されていません。
重症の慢性心不全に対する有用性は確立されていません。
初回服用後に一過性の急激な血圧低下を起こす場合があります。
次腎障害、利尿剤投与中、厳重な減塩療法中、低ナトリウム血症、低血圧、過度の血圧低下により心筋梗塞または脳血管障害の危険性がある人は血圧が安定するまで少量から服用開始してください。
カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレンなど)、カリウム補給剤を併用した場合、血清カリウム値が上昇することがあります。
大動脈弁狭窄症または閉塞性肥大型心筋症がある人では過度の血圧低下をきたし、症状が悪化するおそれがあります。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していません。