シプラクチン4mgは、皮膚疾患に伴うかゆみ(湿疹、皮膚炎、皮膚そう痒症、薬疹)、じんましん、血管運動性浮腫、枯草熱、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、感冒など上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁、咳などの症状改善する抗アレルギー剤です。
人間の体には免疫と呼ばれる機能が備わっています。これは外部から細菌やウイルスなどの異物が体内に侵入した場合、これらを排除し体を防御しようと働く作用で、病気の予防や回復に役立っています。しかし、ダニ、ほこり、花粉、牛乳、金属、ペット、薬など実際に体に害をおよぼさないアレルギー誘発物質(アレルゲン)が体内に入り込むことで免疫が働き、その結果としてクシャミ、かゆみ、鼻づまりなどのさまざまな症状が現われる疾患がアレルギーです。その原因は、食生活の変化、環境汚染、ストレスなどによると考えられています。
アレルギーの原因となるアレルゲン(抗原)が、皮膚や眼への付着、吸入、食べ物による摂取などで体に入ると、皮膚の結合組織に分布する肥満細胞が反応し、この侵入した抗原に対する抗体がつくられます。この段階ではアレルギー症状は現われませんが、その後再び抗原に接するとアレルギー反応が起き、体内でヒスタミンやセロトニンなどの化学物質が合成され、それらの物質がさまざまなアレルギー反応を引き起こします。
ヒスタミンは、ヒスタミン受容体というヒスタミンの受け皿と結合することで初めてその作用を示します。ヒスタミン受容体はその働きによりH1-H4の4種類に分類されていますが、このうちシプラクチン4mgの有効成分であるシプロヘプタジンが働きかけるのはH1受容体です。H1受容体はアレルギーに深く関わっている受容体で、血管拡張、血管透過性亢進、気管支収縮などを引き起こす原因となる物質ですが、シプロヘプタジンはヒスタミンがヒスタミンH1受容体との結びつきを阻害することで、これらのアレルギー症状を抑えます。
シプロヘプタジンは、ヒスタミンH1受容体の作用を抑えるだけでなく、セロトニン受容体にも働きかけてその作用を阻害する性質があります。
セロトニンは神経伝達物質で腸管壁、血管、中枢神経系に存在しており、ヒスタミンと同様、受容体と結びつくことによって働きます。その存在する部位により消化管の運動、腸などの筋肉、血管の収縮・拡張、精神活動などに関与していますが、脂肪細胞によりヒスタミンとともに合成されて皮膚や鼻粘膜などの組織に放出され、これらの部位における炎症を起こす原因ともなっています。
そのほか、シプロヘプタジンは寒冷によるじんましんにも効果を発揮します。