シアリス20mgは、勃起機能改善効果が認められているED治療薬で、ほかの先発品と比べて、服用後長時間にわたって効果が持続するのが特長です。
EDは英語で「勃起機能の低下」を意味し、日本では一般にインポテンツ、または勃起不全などと呼ばれています。器質性(生理的異常)または心因性(心理的障害)の原因により、「性交時に充分な勃起が得られない、あるいは充分な勃起が維持できないため、満足な性交が行なえない状態」と定義されています。
1998年に実施された調査によると、「たまに勃起、性交中勃起は維持できる」中等度EDと、「勃起せずに性交不可能」な重度EDの日本人男性(成人)は約1130万人で、また年代別では、日本人男性の40歳代の5人に1人、50歳代の2.5人に1人、60歳代の1.7人に1人が中等症以上のED(勃起不全)という結果でした。
勃起は、陰茎内部の海綿体に血液が溜まることで起こります。この海綿体は、細かい糸のような血管が集まってできたスポンジ状の組織で、直接刺激するほかに視覚や聴覚、嗅覚、空想などの性的な刺激によって興奮すると、さまざまな神経系が複雑に関与して、陰茎動脈に血液が流れ込み、海綿体に血液が充満します。
ところがEDの場合では、血管または神経のいずれかが正常に働かなくなるために、陰茎海綿体に充分な血液が流れ込まず、必要な硬さを得ることができなくなります。
このようなケースは加齢による原因がほとんどで、特に50代以降に多くにみられ、例えば糖尿病や高血圧、高脂血症などは、血管に大きな負担がかかるだけでなく、これらが原因となって動脈硬化を起こしていることも考えられます。そのため血管が拡がらず、また血液の流れも悪くなるためにEDが起こりやすくなると考えられています。
また神経が原因の場合は、神経が傷害される脳出血、脳腫瘍、脊髄損傷、パーキンソン病、アルツハイマーなどのほか、陰茎海綿体の血管や神経を損傷するような手術やケガ、泌尿器系の病気が大きく関わっています。
EDの原因はこのような器質的な問題だけではありません。例えば30代や40代などの人では、仕事や日常の悩みやトラブル、また過去の性交におけるトラウマなどの精神的要因が性的興奮の伝達を妨げ、EDを引き起こしますが、このような心因性が原因のEDは、全体の約13%を占めているとの結果も出ています。
性的な刺激を受けると血管(陰茎動脈など)では一酸化窒素(NO)がつくられ、この一酸化窒素が、陰茎の動脈および海綿体の平滑筋内のcGMP(環状グアノシン一リン酸)を増加させ、血管を拡張します。すると陰茎組織への血流が増加し、勃起を促します。
しかしその一方で、陰茎海綿体に存在するホスホジエステラーゼタイプ5(PDE5)酵素は、血流増加を阻害するように働きかけるために、これがEDの元凶であると考えられています。
シアリス20mgは、有効成分のタダラフィルがPDE5の働きを選択的に阻害して平滑筋細胞を弛緩させます。その結果、陰茎により多くの血液が送り込まれ、勃起不全の症状を改善します。