ザイデナ100mgは5型ホスホジエステラーゼ(PDE5)の選択的阻害薬です。有効成分のウデナフィルはアジアで開発され、シルデナフィルとほぼ同じ構造を持つ成分ですが、シルデナフィルよりも副作用が少ないとされています。韓国をはじめロシア、フィリピンなど世界数ヵ国では勃起不全治療薬として販売されており、アメリカではさらに前立腺肥大症治療薬としての開発が進められています。日本ではまだ販売されていませんが既にライセンス締結済みで、適応は前立腺肥大症のみです。
勃起不全は、勃起機能障害、勃起障害とも言われる男性の性機能障害(SD)のひとつで、その名前からイメージするような「完全に勃起ができない状態」ではなく、勃起に時間がかかる、途中で萎える、満足な性交ができないなどの症状を指します。陰茎海綿体の動脈が充分に拡がらず、血液の流れ込みが不足することで起こりますが、その原因は一般的には年齢や精神的要因にあると言われており、実際、ストレスやコンプレックス、過去のトラウマなど精神的、心理的な要素が原因となって勃起不全を引き起こすことも確かなようです。 しかしそれ以外にも、糖尿病、高血圧症、高脂血症、喫煙、飲酒などの生活習慣や生活習慣病も深く関わっているとされ、これらの症状を持つ人では血管に損傷や問題があり、血流が抑えられてしまうことで陰茎に充分な血液が行き渡らず、特に勃起不全になる可能性が高いと言われています。 さらに、抗うつ薬、降圧薬、利尿剤など中枢神経、末梢神経、循環器系に作用する薬や、脳出血、パーキンソン病などの神経系障害、また手術や事故などが原因となることもあります。
一方、前立腺は男性特有の生殖器のひとつで、膀胱の真下から尿道を取り囲むように存在している栗ぐらいの大きさの器官です。 その機能については精子の保護と、精液の15%-20%を占める前立腺液を分泌する以外はほとんど解明されていませんが、尿道がその中央を貫いていることから排尿のコントロールにも大きく関与していると考えられています。 この前立腺が肥大して尿道や膀胱を圧迫することにより、残尿感、頻尿、尿意切迫感、尿線途絶、尿性低下、副圧排尿、夜間頻尿などの排尿障害が起こる状態を前立腺肥大症と言います。発症率は50代くらいから徐々に増加し、60代では50%以上、80代では90%の男性に認められる疾患です。前立腺そのものが未知の臓器とされているため、その原因もはっきりとはわかっていません。 しかし一説では男性ホルモンであるテストステロンがその発症に大きくかかわっているとされています。
勃起不全の治療には主に、バイアグラ、レビトラ、シアリスなど、いわゆるPDE5阻害薬と呼ばれる薬が使用されます。これは、陰茎海綿体に存在して勃起を阻害するホスホジエステラーゼタイプ5(PDE5)酵素を選択的に阻害し、陰茎の動脈および海綿体にある平滑筋内の環状グアノシン一リン酸(cGMP)を増加させる働きをします。この作用により血管が拡張し、結果として血流量が増えることで陰茎組織への血流が増加し、勃起不全を改善します。 またPDE5は前立腺や尿道の平滑筋にも多く存在しており、前立腺肥大症とも関係していると考えられているため、その治療にPDE5阻害薬が使用されることもあります。
ザイデナ100mgの有効成分であるウデナフィルは、バイアグラやタダリスなどの有効成分と同じくこのPDE5を阻害するように働きます。しかしながら、ウデナフィルはこれらの薬の有効成分と比較して副作用が少ない上にアジアで開発された成分であることから、ザイデナ100mgは日本人の体質に合いやすい薬として期待されています。