ケナログ口腔用軟膏0.1%は、口内の炎症を抑える薬で、主に口内炎や舌炎の治療に使用します。
口の中の粘膜や舌、歯肉などに起こる炎症を口内炎と言います。粘膜が赤くなる、水疱ができる、皮膚がただれる、潰瘍ができるなどの症状が現われ、食べ物や歯ブラシなど、物が触れると激しい痛みを感じ、症状が悪化すると物が食べにくくなる、しゃべりにくくなる、発熱など、さらに深刻な症状に進行していきます。
口内炎になる原因はさまざまですが、例えば頬をかむ、歯ブラシの刺激、歯の治療などによる金属アレルギーなどでできた口腔内の小さな傷に細菌やウイルスが感染することで起こるほか、体力や免疫の低下、不規則な生活、ストレス、ビタミン不足、ニコチン、口腔内が不潔である場合などでも口内炎になることがあり、またがんやベーチェット病、エイズなどの病気が引き起こす場合もあります。
この口内炎の症状が舌に起こった場合を舌炎と言い、原因もビタミンB2の不足、胃腸病など全身状態の異常、舌にできた傷からの感染、歯の治療などによる刺激など、ほぼ口内炎とほぼ同じです。
病気が原因でない限り、口内炎・舌炎とも通常は1-2週間で自然に治癒しますが、食べものや歯ブラシなどが患部にあたることによる治癒の遅れ、痛みの発現などの理由で早急に治したい場合は、塗り薬や飲み薬、貼り薬などを使用します。
ケナログ口腔用軟膏0.1%は、炎症や傷の治療効果にすぐれたステロイド系の軟膏です。有効成分のトリアムシノロン・アセトニドは口腔粘膜への優れた付着力があり、歯肉、口腔粘膜など湿潤創傷面を保護するとともに、抗炎症作用を発揮します。また糖質代謝作用、抗炎症、抗アレルギー作用が強く、しかも鉱質代謝作用が弱いため、ナトリウム、水分の体内貯留に基づく浮腫などが少ないという特長もあります。
口内炎、舌炎は再発しやすく、また治療よりも予防が大切だと言われています。予防はさほど難しくはなく、まずいちばん大切なのは、口腔内をできるだけ傷つけないようにすることです。歯を磨く際は充分に注意し、かみ合わせの悪い入れ歯や差し歯はかみ合わせを調整し、虫歯は治療しておくだけでもかなり効果的です。また細菌やウイルスの増殖を防ぐためにも、頻繁に口をすすぎ、うがいをするなど、口腔内を常に清潔にしておくことが大切です。
そのほか、バランスのとれた食事、規則正しい生活、節煙・節酒など、生活習慣を改善することも口内炎、舌炎の再発確率の低下につながります。