【警告】
・重篤な乳酸アシドーシスを起こすことがあり、死亡に至った例も報告されています。乳酸アシドーシスを起こしやすい人は服用しないでください。
・腎機能障害または肝機能障害のある人、高齢者が服用する場合には、定期的に腎機能や肝機能を確認するなど慎重に使用してください。特に75歳以上の高齢者では、グルコフェージ1000mgの適否を慎重に判断してください。
【禁忌】
・以下のような状態の人: 乳酸アシドーシスを起こしやすくなります。
1. 乳酸アシドーシスの既往
2. 中等度以上の腎機能障害: 腎臓におけるメトホルミンの排泄が減少します。
3. 透析者(腹膜透析を含む): 高い血中濃度が持続するおそれがあります。
4. 重度の肝機能障害: 肝臓における乳酸の代謝能が低下します。
5. ショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓など心血管系、肺機能に高度の障害のある人およびその他の低酸素血症を伴いやすい状態: 乳酸産生が増加します。
6. 過度のアルコール摂取者: 肝臓における乳酸の代謝能が低下します。
7. 脱水症、脱水状態が懸念される下痢、嘔吐などの胃腸障害のある人
・重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡、1型糖尿病の人: 輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となります。
・重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある人: インスリン注射による血糖管理が望まれるのでメトホルミンの使用は適しません。また乳酸アシドーシスを起こしやすくなります。
・栄養不良状態、飢餓状態、衰弱状態、脳下垂体機能不全または副腎機能不全の人: 低血糖を起こすおそれがあります。
・妊婦または妊娠している可能性のある人
・グルコフェージ1000mgの成分またはビグアナイド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある人
【慎重服用】
・不規則な食事摂取、食事摂取量の不足の人: 低血糖を起こすおそれがあります。
・激しい筋肉運動をする人: 低血糖を起こすおそれがあります。
・軽度-中等度の肝機能障害の人: 乳酸アシドーシスを起こすおそれがあります。
・感染症のある人: 乳酸アシドーシスを起こすおそれがあります。
・高齢者
・ヨード造影剤、腎毒性の強い抗生物質と併用する人: 乳酸アシドーシスを起こすおそれがあります。
・ほかの糖尿病用薬を使用中の人
【重要な基本的注意】
・まれに重篤な乳酸アシドーシスを起こすおそれがあるので、以下の内容を充分理解してください。
1. 過度のアルコール摂取を避けてください。
2. 発熱、下痢、嘔吐、食事摂取不良などにより脱水状態が懸念される場合には、いったん服用を中止し、医師に相談してください。
3. 乳酸アシドーシスの初期状態が現れた場合には、ただちに受診してください。
・ヨード造影剤を用いて検査を行なう人は、グルコフェージ1000mgの併用により乳酸アシドーシスを起こすおそれがあるので、検査前はグルコフェージ1000mgの服用を一時的に中止してください(ただし、緊急に検査に行なう必要がある場合を除く)。ヨード造影剤服用後48時間はグルコフェージ1000mgの使用を再開しないでください。なお、使用再開時には、状態を注意してください。
・脱水により乳酸アシドーシスを起こすことがあります。脱水状態が現れた場合には服用を中止し、適切な処置を行なってください。
・腎機能障害のある人では腎臓におけるメトホルミンの排泄が減少し、メトホルミンの血中濃度が上昇します。服用開始前および服用中は以下の点に注意してください。
・ 腎機能や状態に充分注意して服用の適否や服用量の調節を検討してください。腎機能はeGFRや血清クレアチニン値などを参考に判断してください。
・ メトホルミン服用中は定期的に高齢者など特に慎重な経過観察が必要な場合にはより頻回に腎機能(eGFR、血清クレアチニン値など)を確認し、腎機能の悪化が認められた場合には、使用の中止や減量を行なってください。
・肝機能障害のある人では肝臓のおける乳酸の代謝能が低下する可能性があるので、高所作業、自動車の運転などの従事している人が使用するときは注意してください。また、低血糖状態に関する注意について充分に理解してください。
・糖尿病の診断が確立した人のみ適用を考慮してください。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性など、糖尿病類似の症状(腎性糖尿、甲状腺機能異常など)を有する疾患があることに留意してください。
・適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を充分に行なったうえで効果が不充分な場合に限り考慮してください。
・服用する場合には、少量から開始し、血糖値、尿糖などを定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、効果が不充分な場合は速やかにほかの治療法への切り替えを行なってください。
・服用の継続中に使用の必要がなくなる場合や、減量する必要がある場合があり、また不養生、感染症の合併などにより効果がなくなったり、不充分となる場合あるので、食事摂取量、体重の推移、血糖値、感染症の有無などに留意のうえ、常に服用継続の可否、服用量、薬剤の選択などに注意してください。
【その他の注意】
・インスリンまたは経口血糖降下剤の服用中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を服用することにより、低血糖が起こりやすいとの報告があります。
【高齢者】
・高齢者では腎機能、肝機能などが低下していることが多く、また脱水症状を起こしやすいとされています。これらの状態では乳酸アシドーシスを起こしやすいので、以下の点に注意してください。
1. グルコフェージ1000mgの服用開始前、服用中は定期的に、特に慎重な経過観察が必要な場合にはより頻回に腎機能や肝機能を確認するなど充分に観察しながら慎重に服用してください。
2. 腎機能や脱水症状など、状態に充分注意して服用の中止や減量を検討してください。特に75歳以上の高齢者では、乳酸アシドーシスが多く報告されており、予後も不良であることが多いため、グルコフェージ1000mgの適否をより慎重に判断してください。
3. 血清クレアチニン値が正常範囲内であっても、年齢によっては実際の腎機能が低下していることがあるので、eGFRなども考慮して、慎重に状態を観察してください。
【妊婦、産婦、授乳婦など】
・妊婦または妊娠している可能性のある人は服用しないでください。
・授乳中の人は服用を避け、やむを得ず服用する場合は授乳を中止してください。
【小児など】
・低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していません。