効能・効果に関連する使用上の注意
抗うつ剤の服用により、24歳以下で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、クロフラニル50mgの服用にあたってはリスクとベネフィットを考慮してください。
以下の場合、クロフラニル50mgを慎重に服用してください。
・排尿困難または眼内圧亢進などのある人: 抗コリン作用により症状が悪化することがあります。
・心不全、心筋梗塞、狭心症、不整脈(発作性頻拍、刺激伝導障害など)などの心疾患のある人または甲状腺機能亢進症の人: 循環器系に影響をおよぼすことがあります。
・てんかんなどのけいれん性疾患またはこれらの既往歴のある人: けいれんを起こすことがあります。なお米国における臨床試験の結果、クロフラニル50mgの用量とてんかん発作出現に明らかな相関関係が認められています。
・そううつ病の人: そう転、自殺企図が現われることがあります。
・衝動性が高い併存障害を有する人: 精神症状を増悪させることがあります。
・脳の器質障害または統合失調症の素因のある人: 精神症状を増悪させることがあります。
・自殺念慮または自殺企図の既往のある人、自殺念慮のある人: 自殺念慮、自殺企図が現われることがあります。
・副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫、神経芽細胞腫など)のある人: 高血圧発作を引き起こすおそれがあります。
・重篤な肝・腎障害のある人: 代謝、排泄障害により副作用が現れやすくなります。
・低血圧のある人: 高度の血圧低下が起こることがあります。
・低カリウム血症のある人: 低カリウム状態はQT延長の危険因子と考えられます。
・高度な慢性の便秘のある人: 抗コリン作用により症状が悪化することがあります。
・小児または高齢者: 小児が服用する場合は4歳以上であることが望ましいとされています。
以下の場合、クロフラニル50mgを絶対に服用しないでください。
・緑内障のある人: 抗コリン作用により眼圧を上昇させるおそれがあります。
・クロフラニル50mgの成分または三環系抗うつ剤に対し過敏症の既往歴のある人。
・心筋梗塞の回復初期の人: 症状を悪化させるおそれがあります。
・尿閉(前立腺疾患など)のある人: 抗コリン作用により症状が悪化することがあります。
・MAO阻害剤(セレギリン)を服用中または服用中止後2週間以内の人: 発汗、不穏、全身けいれん、異常高熱、昏睡などが現われるおそれがあります。
・チオリダジンを服用中の人: QT延長、心室性不整脈などを起こすおそれがあります。
・QT延長症候群のある人: 心室性不整脈を起こすおそれがあります。
【重要な基本的注意 】
・眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの低下が起こることがあるので、クロフラニル50mgの服用中は自動車の運転など危険を伴う機械の操作には従事しないように注意してください。
・うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような人は服用開始早期ならびに服用量を変更する際に状態および病態の変化を注意深く観察してください。
・不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽そう、そう病などが現われることが報告されています。
また因果関係は明らかではありませんが、これらの症状、行動をきたした症例において、基礎疾患の悪化または自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されています。
・自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる人が服用する場合は、1日分の服用日数を最小限にとどめてください。
・服用量の急激な現象もしくは服用の中止により、吐き気、頭痛、倦怠感、易刺激性、情緒不安、睡眠障害、筋けい縮などの離脱症状が現われることがあります。
高齢者では、起立性低血圧、ふらつき、抗コリン作用による口渇、排尿困難、便秘、眼内圧亢進などが現れやすいため、少量から服用を開始するなど状態を観察しながら慎重に服用してください。
新生児に呼吸困難、嗜眠、チアノーゼ、興奮性、低血圧、高血圧、けいれん、筋けい縮、ふるえなどの離脱症状を起こしたとの報告があるため、妊婦または妊娠している可能性のある人は服用しないでください。
母乳中へ移行することが報告されているため、クロフラニル50mg服用中は授乳を避けてください。
三環系抗うつ剤の長期服用で、う歯発現の増加を招くことが報告されています。
連用中は定期的に肝・腎機能検査および血液検査を行なうことが望ましとされています。
クロフラニル50mg服用中にコンタクトレンズを使用している場合、抗コリン作用による涙液分泌の減少により角膜上皮の障害が現われるおそれがあります。