以下の場合、クロファート50を絶対に服用しないでください。
・エストロゲン依存性悪性腫瘍(乳がん、子宮内膜癌など)およびその疑いのある人: 腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがあります。
・卵巣腫瘍および多嚢胞性卵巣症候群を原因としない卵巣の腫大のある人: 卵巣過剰刺激作用によりさらに卵巣を腫大させるおそれがあります。
・肝臓または肝疾患のある人: 肝障害を悪化させるおそれがあります。
・妊婦: 妊娠中の服用に関する安全性は確認されておらず、また動物試験で胎児毒性ならびに催奇形作用が認められているため、妊娠中には絶対に服用しないでください。
また妊娠初期の不注意な服用は絶対に避けてください。
以下の場合、服用しないことを原則としますが、特に必要とする場合は慎重に服用してください。
・児を望まない無排卵の人
以下の場合、クロファート50を慎重に服用してください。
・子宮筋腫のある人: 子宮筋腫の発育を促進するおそれがあります。
・子宮内膜症のある人: 状態が増悪するおそれがあります。
・乳がんの既往歴のある人: 乳がんが再発するおそれがあります。
・乳がん家族素因が強い人、乳房結節のある人、乳腺症の人または乳房レントゲン像に異常がみられる人: 症状が増悪するおそれがあります。
・肝障害、肝疾患の既往歴のある人: 肝障害を悪化させるおそれがあります。
・多嚢胞性卵巣のある人: 卵巣過剰刺激症候群が起こりやすいとされています。
【重要な基本的注意】
・霧視などの視覚症状が現われることがあるので、服用中は自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事しないように注意してください。
・服用前、少なくとも1ヵ月間および治療期間中は基礎体温を必ず記録し、排卵誘発の有無を観察してください。
・無月経の人においては、服用前にゲスターゲンテストを行ない、消退性出血開始日を第1日として5日目に、また服用前に自然出血(無排卵周期症)があった場合はその5日目に服用を開始してください。
・服用後基礎体温が高温相に移行した場合は、服用を中止し、必ず妊娠成立の有無を確認してください。
・クロファート50による治療の対象は、間脳または下垂体前葉の機能障害に由来する性腺刺激ホルモンと低分泌無排卵の人です。
・原発性卵巣不全による尿中性腺刺激ホルモン分泌の高い人は服用しないでください。
・副腎および甲状腺機能の異常による無排卵の人は服用しないでください。
・頭蓋内に病変(下垂体腫瘍など)のある人は服用しないでください。
・無排卵症以外の不妊症の人は使用しないでください。
・クロファート50の卵巣過剰刺激による副作用を避けるため、服用前および治療期間中は毎日内診を行ない、特に以下の点に留意してください。
1.自覚症状(特に下腹部痛)の有無
2.卵巣腫大の有無
3.基礎体温異常上昇の有無(毎日測定してください)
4.頸管粘液量とその症状
5.卵巣過剰刺激は用量に依存する可能性があるので、用量、期間は1周期につき1日100mg、5日間を限度としてください。
・卵巣過剰刺激の結果としての多胎妊娠の可能性があるので、その旨に留意すること。
・無月経の人においては、服用前にゲスターゲンテストにより、第1度無月経を確認し、エストロゲンテストにより子宮性無月経を除外してください。
・一般に3クール反復服用しても排卵月経のまったくみられない場合には服用を中止してください。
・産婦人科、内分泌専門医師の管理のもとに服用してください。
外国で、クエン酸クロミフェンの長期服用により、卵巣腫瘍の発症の危険性を増加させるとの疫学的調査結果が報告されています。
血栓症の素因のある人において、クエン酸クロミフェンの服用後、脳梗塞、静脈血栓症が発現したとの報告があります。