オフロックス200は、細菌を殺菌することで感染症を治療するニューキノロン系の抗菌薬です。
抗菌薬は、細菌の増殖抑制や殺菌作用を持つ薬のことです。
一般に抗生物質も同じ作用を持っていますが、微生物が産生する物質を生成したものを抗生物質と呼び、完全に化学的合成したものを合成抗菌薬といいます。
従って、抗菌薬には抗生物質と合成抗菌薬の両方が含まれます。
オフロックス200が属するニューキノロン系は合成抗菌薬で、抗生物質と同様に感染症の治療に用いられます。
感染症とは細菌、ウイルス、寄生虫などの病原体が原因となって起こるさまざまな病的反応のことで、主なものではインフルエンザ、B型肝炎、性病、HIV、結核、狂犬病なども感染症に含まれます。
その感染ルートは人から人、動物や虫から、傷口から、食べ物からなどが挙げられ、また症状は原因によって異なりますが、発熱、下痢、嘔吐、せきなどが一般的です。
感染しても症状が現われないものもあれば、場合によっては死に至る重い症状が出るものもあります。
ニューキノロン系抗菌薬は、皮膚、呼吸器、泌尿器、婦人科、眼科、耳鼻科、歯科領域など広い範囲に使用される感染症の治療薬です。
細菌は自分自身をコピーすることで分裂・増殖をしますが、オフロックス200を含むニューキノロン系の薬はDNA(デオキシリボ核酸)の複製に関わる酵素を抑えることで細菌の増殖を阻害し、殺菌作用を発揮します。その抗菌スペクトルは幅広く、偏性嫌気性菌(酸素分子のない環境下でのみ生育可能な菌)を含むグラム陽性菌およびグラム陰性菌に対しても作用します。
グラム陽性菌は、厚い細胞壁を持つ菌で、ブドウ球菌、レンサ球菌、腸球菌などがあります。一方、グラム陰性菌は細胞に外膜を持つ菌で、大腸菌、緑膿菌、インフルエンザ菌などが含まれます。
オフロックス200の有効成分であるオフロキサシンは比較的副作用が少ないとされ、セフェム系やペニシリン系、マクロライド系の抗生物質とは作用機序が異なるため、これらに耐性を示す菌にも有効性が期待できます。
オフロックス200の適応菌種と適応症は以下のとおりです。
・適応菌種
オフロックス200に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、らい菌、大腸菌、赤痢菌、チフス菌、パラチフス菌、シトロバクター属、肺炎桿菌、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属、カンピロバクター属、ペプトストレプトコッカス属、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)
・適応症
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷および手術創などの二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、尿道炎、子宮頚管炎、胆のう炎、胆管炎、感染性腸炎、腸チフス、パラチフス、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属機縁、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、ハンセン病