エリアス5mgは花粉症、アレルギー性鼻炎など、アレルギーの諸症状を改善する長時間持続タイプの抗ヒスタミン薬です。効き目が早く、眠気や口の渇きなどの副作用が少ないのが特長です。
人間の体には免疫と呼ばれる機能が備わっています。 これは外部から細菌やウイルスなどの異物が体内に侵入した場合、これらを排除して体を防御しようと働く作用で、病気の予防や回復に役立っています。 ところが本来であれば体に対して無害な物質に対して反応を起こし、クシャミ、かゆみ、鼻づまりなど、さまざまな症状が現われるのがアレルギーです。例えば花粉に対してこのような症状が出た場合を花粉症、ハウスダスト、ダニなどが抗原となってくしゃみ、鼻水、鼻づまりの3大症状を引き起こす鼻粘膜のアレルギー症状をアレルギー性鼻炎と呼びますが、このほかにも牛乳、金属、ペット、薬など、アレルギー反応の有無は人によって異なり、引き起こされる症状も千差万別です。
これらのアレルギーの原因となるアレルゲン(抗原)は、皮膚や眼への付着、吸入、食べ物による摂取などで体に入ると、皮膚の結合組織に分布する肥満細胞が反応し、この侵入した抗原に対する抗体がつくられます。この段階ではアレルギー症状は現われませんが、その後再び抗原に接すると体内でヒスタミンやセロトニンなどの化学物質が合成され、それらの物質がさまざまなアレルギー反応を引き起こします。
ヒスタミンは、ヒスタミン受容体というヒスタミンの受け皿と結合することで初めてその作用を示します。 ヒスタミン受容体はその働きによりH1-H4の4種類に分類されており、エリアス5mgの有効成分であるデスロラタジンは、このうちH1受容体に選択的に結びつきます。H1受容体はアレルギーに深く関わっている受容体で、血管拡張、血管透過性亢進、気管支収縮などを引き起こす原因となる物質であり、デスロラタジンがヒスタミンの代わりにヒスタミンH1受容体と結びつくことにその作用が阻害されるため、結果としてアレルギー症状の出現が抑えられます。
デスロラタジンは、ヒスタミンとヒスタミン受容体が結合するのを抑えるという点においては従来の抗ヒスタミン薬と作用は同じですが、特にH1受容体に選択的に拮抗作用を示すために、便秘や口の渇きなどの抗コリン作用が起こらないのが特長です。さらにデスロラタジンは、肥満細胞に作用してヒスタミンやロイコトリエンなどのケミカルメディエーターの遊離を抑制するほか、脳に入りにくい性質を持つことから眠気を生じさせないと考えられているため、自動車の運転など危険を伴う機械の操作をする人でも安心して服用ができます。
また効果が長時間持続するので1日1回の服用で済み、コンプライアンスの向上に役に立つなど服用による利点が多く、ロラタジンはアメリカやヨーロッパでは抗アレルギー性鼻炎薬の第一選択薬として使用されることが多いようです。