【禁忌】
・エスシタロプラム・アポテックス10mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤を服用中あるいは服用中止後14日間以内の人
・ピモジドを服用中の人
・QT延長のある人(先天性QT延長症候群など): 心室頻拍(torsades de
pointesを含む)、心電図QT間隔の過度な延長を起こすことがあります。
【慎重服用】
・著名な徐脈などの不整脈またはその既往歴のある人、QT延長を起こすことが知られている薬剤を服用中の人、うっ血性心不全、低カリウム血症の人: エスシタロプラム・アポテックス10mgの服用によりQTが延長する可能性があります。
・肝機能障害のある人: エスシタロプラム・アポテックス10mgのクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがあります。
・高度の腎機能障害のある人: エスシタロプラム・アポテックス10mgのクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがあります。
・自殺念慮または自殺企図の既往のある人、自殺念慮のある人: 自殺念慮、自殺企図があらわれることがあります。
・躁うつ病の人: そう転、自殺企図があらわれることがあります。
・脳の器質的障害または統合失調症の素因のある人: 精神症状が増悪することがあります。
・衝動性が高い併存障害を有する人: 精神症状が増悪することがあります。
・てんかんなどのけいれん性疾患またはこれらの既往歴のある人: けいれん発作を起こすことがあります。
・出血の危険性を高める薬剤を併用している人、出血傾向または出血性素因のある人: 出血傾向が増強するおそれがあります。
・高齢者
・小児
【重要な基本的注意】
・うつ症状を呈する人には希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような人は服用開始早期ならびに服用量を変更する際には状態および病態の変化を注意深く観察してください。
・不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽そう、そう病などがあらわれることが報告されています。また因果関係は明らかではありませんが、これらの症状・行動を来たした症例において、基礎疾患の悪化または自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されています。状態および病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服用量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行なってください。
・自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる人が服用する場合は、1回分の処方日数を最小限にとどめてください。
・家族などに自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性などの行動の変化および基礎疾患悪化があらわれるリスクなどについて充分理解してください。
・眠気、めまいなどがあらわれることがあるので、エスシタロプラム・アポテックス10mgを服用中の人は、自動車の運転など危険を伴う機械を操作する際には充分注意してください。
・服用注意(突然の中止)により、不安、焦燥、興奮、浮動性めまい、錯感覚、頭痛および悪心などがあらわれることが報告されています。服用を中止する場合には、突然の中止を避け、状態を観察しながら徐々に減量してください。
・エスシタロプラム・アポテックス10mgの服用によりQT延長がみられていることから、心血管系障害を有する人は、エスシタロプラム・アポテックス10mgの服用を開始する前に心血管系の状態にも注意を払ってください。
【効能・効果に関する使用上の注意】
・抗うつ剤の服用により、24歳以下の人で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、エスシタロプラム・アポテックス10mgの服用にあたっては、リスクとベネフィットを考慮してください。
・海外で実施された6-17歳の大うつ病性障害の人を対象としたプラセボ対照臨床試験において、6-11歳の人で有効性が確認できなかったとの報告があります。エスシタロプラム・アポテックス10mgを12歳未満の大うつ病性障害の人が使用する際には、適応を慎重に検討してください。
・社会不安障害の診断は、DSM(米国精神医学会)などの適切な診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ使用してください。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・エスシタロプラム・アポテックス10mgの服用量は必要最小限となるよう、慎重に観察しながら服用してください。
・肝機能障害の人、高齢者、遺伝的にCYP2C19の活性が欠損していることが判明している人では、エスシタロプラム・アポテックス10mgの血中濃度が上昇し、QT延長などの副作用が発現しやすいおそれがあるため、10mgを上限とすることが望ましいとされています。また服用に際しては状態を注意深く観察し、慎重に服用してください。
【その他の注意】
・海外で実施された大うつ病性障害などの精神疾患を持つ人を対象とした、エスシタロプラムを含む複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の人では、自殺念慮や自殺企図の発現リスクが抗うつ剤服用群でプラセボ群と比較して高かったとの報告があります。なお、25歳以上の人における自殺念慮や自殺企図の発現リスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少しています。
・主に50歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において、選択的セロトニン再取り込み阻害剤および三環系抗うつ剤を含む抗うつ剤を服用した人で、骨折のリスクが上昇したとの報告があります。
・海外で実施された臨床試験において、エスシタロプラムを含む選択的セロトニン再取り込み阻害剤が精子特性を変化させ、受精率に影響を与える可能性が報告されています。
【高齢者】
高齢者での薬物動態試験で、血中濃度が高い傾向が認められているので、用量に留意して、状態を観察しながら慎重に服用してください。
【妊婦、産婦、授乳婦など】
・妊婦または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ服用してください。
・妊娠末期にエスシタロプラム・アポテックス10mgまたはほかのSSRI、SNRIを服用した妊婦から出生した新生児において、入院期間の延長、呼吸補助、経管栄養を必要とする、離脱症状と同様の症状が出産直後にあらわれたとの報告があります。臨床所見としては、呼吸窮迫、チアノーゼ、無呼吸、発作、体温調整障害、哺乳障害、嘔吐、低血糖症、筋緊張低下、筋緊張亢進、反射亢進、振戦、ぴくつき、易刺激性、持続性の泣きが報告されています。
・海外の疫学調査委において、妊娠中にエスシタロプラム・アポテックス10mgのラセミ体であるシタロプラムを含むほかのSSRIを服用した妊婦から出生した新生児において、新生児遅延性肺高血圧症のリスクが増加したとの報告があります。このうち1つの調査では、妊娠34週以降に生まれた新生児における新生児遅延性肺高血圧症発生のリスク比は、妊娠早期の服用で2.4、妊娠早期および後期の服用では3.6でした。
・授乳中の人の服用は避けることが望ましいとされていますが、やむを得ず服用する場合は授乳を避けてください。
【小児など】
・低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する有効性および安全性は確立していません。
・海外で実施された6-17歳の大うつ病性障害の人大を対象としたプラセボ対照の臨床試験において、6-11歳の人で有効性が確認できなかったとの報告があります。