アムロック10mgはカルシウム拮抗剤に分類される、高血圧や狭心症の治療薬です。
血圧とは血液が体内を循環する時に血管にかかる圧力のことで、高血圧症とは血圧が140/90mmHg以上の状態を指します。
高血圧症による心臓の負担は心肥大や動脈硬化を誘発し、さらには心臓病、脳卒中、腎臓病などの合併症を引き起こします。
しかし病状の進行の間にはっきりとした自覚症状が現れないことから『サイレントキラー』とも呼ばれています。
大きく分けて原因を特定することのできる二次性高血圧症(症候性高血圧症)と原因がはっきりわからない本態性高血圧症に分類されますが、有病者のほとんどが本態性高血圧症であるとされています。
本態性高血圧症の原因は特定されていないものの、偏った生活、アルコール、運動不足、肥満、ストレスがその要因として考えられており、生活習慣病の一つとされています。
高血圧の原因のひとつにカルシウムが挙げられます。
食事などから摂取されるカルシウムが不足すると、骨からカルシウムが血中に溶けだします。
血中に溶けだした過剰なカルシウムは血管壁の傷にコレステロールと同様に付着し、石灰化して動脈硬化を進行させます。
また血管壁にある平滑筋細胞に入り込み、筋肉の収縮をコントロールする作用によって血管を収縮させ血圧を上昇させます。
カルシウム拮抗剤はカルシウムを細胞内に取り込む入口となるカルシウムチャンネルの開口を阻害します。
この作用によって血管収縮作用を持つカルシウムが細胞内に入り込むことを防ぎ、血管を拡張させることによって血圧を下げる働きを発揮します。
この血管拡張作用が冠状動脈で発揮されると、心臓の虚血状態が改善されることから狭心症にも効力があると言われています。
一般的に、アムロジピンベシル酸塩が属するカルシウム拮抗剤は安全性が高い上に効き目がよいとされているため、高血圧や狭心症の治療に第一選択されることが多いとされています。
また血糖、尿酸、脂質などに悪い影響を与えないので、糖尿病や高血圧症、腎機能に障害のある人でも使用できるのが特長です。
幅広い年齢層に対しても有効なため、合併症を持つ高齢者にも多く処方されています。
比較的長い歴史を持つカルシウム拮抗剤ですが、この薬が出た当初は急激な降圧による自律神経系などへの刺激作用を含めた副作用の問題がありました。
その後は、降圧作用を遅らせる、血中濃度の半減期の延長などの改良を経て、現在では第3世代カルシウム拮抗剤に至っています。
アムロック10mgに含まれるアムロジピンベシル酸塩はこの第3世代に属し、さらなる血中濃度半減期の延長とゆるやかな降圧を実現しています。