アヌソル座薬は、単純な内痔核による痛みや不快感、または外科的または硬化療法した肛門直腸治療後の症状を緩和するために使用します。
痔核は俗にイボ痔と呼ばれるタイプの痔です。肛門部周辺にある痔静脈という静脈が圧迫されて血液の流れが悪くなり、血管がふくらんでこぶ状になった状態で、この静脈瘤からの出血や血栓(血豆)による腫れなどの症状がみられますが、その主な原因は圧力です。肛門は心臓より低いところに位置しているため、痔静脈には常に一定の圧力がかかっており、立ちっぱなしや座りっぱなしなど長時間同じ姿勢を続けていると、痔静脈への圧力がさらに高くなり、痔核が起こりやすくなると言われています。さらに年齢、遺伝、食習慣なども関係していると考えられています。
痔核はその発生する位置により外痔核と内痔核に分かれます。肛門の縁から奥に15センチほどの場所にある肛門上皮下にできる外痔核の場合では出血することはまずありませんが、腫れると痛みを伴います。一方、直腸下端の粘膜下にできる内痔核は、排便時に少量から大量の出血を伴うのが特徴です。しかし知覚神経が通っていない場所にできるために痛みはほとんど感じません。ところが症状が進行すると痔核が肛門の外にまで出てきたり、炎症を起こすことがあり、その場合は激しい痛みを感じるようになります。
内痔核は、重症の場合には外科療法が必要となる場合もありますが、そのほとんどは薬剤や生活習慣の改善で治るとされており、治療の基本は保存療法になります。そのため、出血や痛みなど、痔核により生じる症状を緩和したり、便が出る時に肛門に負担をかけないようにする薬を使用するのが一般的です。
アヌソル座薬は、内痔核の症状を緩和する座薬タイプの薬です。その有効成分は酸化亜鉛で、たんぱく質と結合して皮膜を形成することで、収斂、止血、鎮痛、消炎、保護作用を発揮するほか、傷口から出てくる液の吸収および分泌の抑制により、創面または潰瘍面などを乾燥させる働きも持っています。さらに、酸化亜鉛と同じく収斂作用を持つビスマスに加え、創面を保護する殺菌作用を持ち、傷の治癒を促進する効果が期待できる天然のエッセンシャルオイルのペルーバルサムを配合しています。
これらの有効成分の相乗効果により、アヌソル座薬は内痔核の症状をすばやく緩和します。