三環系抗うつ剤
三環系抗うつ剤
1950年代に初めて開発され、現在でも広く使用されている第一世代、第二世代に属する抗うつ剤です。
化学構造に3つの環状構造を含むことからこの名がつけられました。
三環系抗うつ剤はモノアミン(神経伝達物質)の再取り込み口となるトランスポーターと呼ばれる部分にくっつき、ブロックします。
その結果、主に脳内のセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みが阻害され、これらの濃度を増加させることから不安の軽減や意欲の高揚といった抗うつ作用が発揮されるとされています。
効果が表れるまでに数週間かかるもののその作用は強く、使用した約70-80%の人に症状の改善をもたらすとされているため、特に重症の定型うつ病や激超型うつ病といった症状に対して使用されています。
しかしその一方、アセチルコリンやアドレナリンα1、ヒスタミンH1といった他の神経伝達物質による情報を受け取り手である受容体をもブロックしてしまうため、口の渇きや便秘、排尿障害といった抗コリン作用、めまい、眠気、運動機能障害といったような副作用が現れやすいのが欠点です。
第一世代のものと第二世代物を比較すると、第二世代のほうが副作用の発現が抑えられ、尚且つ効果の発現も早いとされています。